「アイデアのつくり方」 ヤング著

 

<概要>

広告アイデアをどう手に入れるか?という質問に対する一つの公式・技術。アイデアづくりは,車の製造と基本的には同じ構造であり,一連のプロセス作業であり,操作技術が必要なもので,その修練が必要なもの,とする考え。言うは易く行うは難し,だが,学ぶべき大切なものは基本同じであることも示している」

 

<ひと言コメント>

数十年の間読み継がれているロングセラーです。1時間もあれば読めます。が,著者も言われているとおり,ここで言われていることを本当に身につけるには相応の時間が必要です。「ここで言われていることをやり続けられれば」,と,そこから勇気をもらうのか,そんなことできないと絶望するのか,は,難しいですね。


「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ著

 

<概要>

「旅に出る人となりたい,と,羊飼いになった少年サンチャゴ。彼を待つ宝があるとの夢を信じて,エジプト・ピラミッドを目指す旅を始める。さまざまな出会いや経験を通じて,人生の知恵を学んでいった彼に,残された最後の学びとは? そして彼は自分の宝をつかむのか?」

 

<ひと言コメント>

世界で一億部!以上発行された大ベストセラーです。主人公のサンチャゴが旅を通じて自分の夢を実現する,という物語です。でも,なぜここまで世界で読まれたのでしょう? その理由を考えてみるのも面白いかもしれませんね。


「ヴェニスの商人」 シェイクスピア著

 

<概要>

友人のため,自分の心臓周りの肉1ポンドを担保にユダヤ人の金貸しに借金をしたヴェニスの貿易商人。返済メドがたつもその期日は超え,契約を理由に肉1ポンドを要求される。裁判となった彼の運命は? 愛・友情VS法の下の契約,優先されるのは?」

 

<ひと言コメント>

ご存知シェイクスピア作の戯曲。中高生時代ぐらい,でしょうか,教科書で読んだことがある,という方も多いのでは? なのですが,この名著には間違いがある!ということ,みなさんはご存知でしたか? これって常識? お恥ずかしながら,私は知らなかったのです・・・。間違いさがしをしながら,なぜ間違えてしまったのかを考えながら,など,その時代を想いながら読んでみる,というのはいかがでしょうか?


「種の起源」 ダーウィン著

 

<概要>

「ダーウィンが,生物とは不変のものではなく,世代を経て進化していくものである,という進化論の考え方,科学的な世界観で生物学の完成予想図を示したもの。神がすべてのものを創造したというキリスト教的世界観を根底から覆す考え方。変異・生存競争・自然淘汰の3つのキーワードとその補足・異論への反論で説明・構成。」

 

<ひと言コメント>

学校でも学習し,当たり前のように感じるダーウィンの進化論。でもそれは本当でしょうか? キリスト教の世界では「神が万物を創造した」のですから,進化論は完全に対立論です。内容もさることながら,このあたりの事情を頭に入れながら読むと,いつの世もそれまでの常識を覆すのは難しい・・・そんなことも考えられる一冊になるかもしれません。


「生物から見た世界」 ユクスキュル著

 

<概要>

「人間を主体として見た環境だけではなくそれぞれの生物が主体となった環境(=環世界)とその見え方が存在することを示すことを通じた,モノの見方観を養うことへの誘い。「環境は我々と我々にとってのモノ」という単一的な見方の危うさ,と,自然やあらゆるものを主体にしたモノの見方をすることの重要性を主張」

 

<ひと言コメント>

書名は生物から見た世界なのですが,ものの見方を問うているのが本書。「人間には人間の,動物には動物の,虫には虫の,微生物には微生物の」それぞれ個々の「見方」があり,同じ物であってもその見方は違う=認知のされ方も違う,ことを,生物の研究を通じて説明しています(「環世界」という言葉で説明されています)。アプローチは生物=理系ですが,結果役立つ先は人生観など含めた社会=文系,ととらえることもできるのではないでしょうか


「大衆の反逆」 オルテガ著

 

<概要>

生のための制約と圧迫のなくなった「大衆」は,安易さと自己の論理で,権力を行使する。モラルや美徳を理解せず,目先の利益に走る「大衆」は,代案なしに自由主義的デモクラシー(民主主義)を批判する。膨大な時間をかけてようやく得られた精神的な・知的な自由を守るための闘いと,それを守る新しい生の原理をつくることが必要となっている,とする分析的主張」

 

<ひと言コメント>

大衆の反逆,という書名からどんな想像をされますか? 大衆とは誰のこと? 大衆とは誰ではないこと? 反逆とは何に対する反逆? そんな「質問」を頭に入れながら本書を読むとわかりやすいかもしれません。1930年に発行されたという本書が語った未来は到来してるのでしょうか? さらに未来はどうなるのでしょうか? 現代の大衆批判の本と合わせて読んでみると面白いかもしれません。


「代表的日本人」 内村 鑑三著

 

<概要>

明治の時代,より低俗と見られた日本人を西洋人に知ってもらうことを目的に,5人の代表的な日本人と思想・態度を英語で紹介したもの。5人の紹介を例に,日本国民一人ひとりは多くの美点を持っており,日本はその美点を育むことのできる唯一の国土であることを主張,日本の良さを伝えようとする試み」

 

<ひと言コメント>

明治時代のキリスト教信者で非戦論者として著者を記憶されている方も多いかもしれません。その著者が日本に対する西洋人の誤解を解くことを目的に,5人の日本の偉人をピックアップし,英語で紹介したもの,です。本書での主張は主張として学び,また,自分だったら誰を紹介するか?を考えてみると面白いかもしれません。それだけで一晩お酒が飲めそうです・・・(苦笑)


「罪と罰」 ドストエフスキー著

 

<概要>

自分の殻に閉じこもり世間から孤立した青年ラスコーリニコフ。屋根裏部屋で彼がふける空想。それは,非凡人は人類にとって有益な目的のためなら,ある一線を踏み越える権利を持つ,というものだった。彼がした行動とは? そしてその後の彼を待つものは?」

 

<ひと言コメント>

ドストエフスキーの代表作,ですが,岩波版で1000ページを超える大著(私にとっては)。その分量で手を出せない,という方,多いかもしれません。でも,読んでみると,訴えかける迫力というか,推理小説のようなおもしろさを感じる方も多い,とのこと。ロシア革命中心に,19世紀中頃のロシアについて,(本当に)ざっくり頭に入れてから読み始めるのがおススメ,です。


「ファーブル昆虫記」 ファーブル著

 

<概要>

ファーブルが後半生をかけた昆虫生態の研究とその成果を示したもの。①昆虫とその生態そのものがわかる,②その生態を解明するファーブルの科学者としての工夫,③その研究にまつわる苦労などの裏話が,物語風・随筆風に書かれている。ファーブルの科学者として,あるいは人間としての姿勢を読むことができる。」

 

<ひと言コメント>

子どものころ読んだことがある,と言われる方も多いかもしれませんが,中身を覚えている方はどれぐらいいるのでしょう? また読まれたことも昆虫記の一部という方が圧倒的多数では? この有名な本書では純粋に昆虫の世界のおもしろさが読めるのはもちろん,ファーブルの姿勢や思考法に触れることやその時代背景を想像することが,もっと知的なあなたにしてくれるのかもしれません。