Weekly Column ~過去のコラム~

20221119-20221125を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「日本」ってどんな国?」 本田 由紀 著 ~第2回~

 

 

つい先日,統計初学者向けの書籍を,とある専門出版社から出版しました

4年越しのPJの末,ようやく発刊にこぎつけた,苦労の塊だったりするのですが,

その過程で,多くの学びがありました

その1つは,言葉の使い方,選び方です

 

たとえば,「正しい」という言葉

仮にこの言葉を使うのであれば,「正しいを判定する基準」が必要になるわけですが,

「正しい」という言葉だけを単独で使ってしまうと,

読者に対して,「これが正しいのだな,という誤解を与える可能性が高まるよな」

と思うようになった

 

代わりに使うようになったのが「適切」という言葉

たとえば,「正しく解釈する」「正しく理解する」というような表現をせず,

「適切に解釈する」「適切に理解する」というような表現をするようになった

 

「何が違うの?」と思われるかもしれないのですが,

私の中では,読者に与える印象は大きく違うように思うのです(気のせい?)

正しく,の代わりに「適切に」と使うと,

「ここで言う,適切さ,って,どういうことだろう?」と考えることを

多少なりとも促しやすくなっているように思う

 

1つの理由は,「正しい」という言葉が,

ある意味では「強すぎる言葉」であるということなのかな,と思います

どうも思考停止を誘発しやすいように感じる

「正しい=正解,なのだから,それ以上考える必要はない」というような誤解を与える

本当は,あれこれ考える必要があるのに,それを抑止してしまう

 

このように感じるのは,学生や社会人の方に教える場を持っているから,という部分もあります

受講されている方の反応を見ると,やたら正解を求める,正しいことを求める

それ自体はわかる部分はあるのですが,

でも,世の中,「正解の要件」はあっても,唯一絶対の正解があるものの方が少ない

 

一方で,「正解はないのだから,好き勝手にすればいい」と,

それこそ曲解する方もいらっしゃるので,これまた配慮が必要になるのですが・・・

やれやれ・・・(苦笑)

20221112-20221118を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「日本」ってどんな国?」 本田 由紀 著 ~第1回~

 

 

ある友だちと,何らかの件をめぐって,ケンカしたとします

未来永劫,ケンカしている状態を続けたい,というのなら別ですが,

多くの場合は,仲直りの機会をうかがっているのではないか,と思います

 

この週は,ASEAN首脳会議やG20など,

各国首脳が集まる場があったり,米中首脳や日本の首脳の会談がもたれたり,と,

各国が,「会話の機会」を探っているように見えます

また,様子から推測する限り,

ロシアのウクライナ侵攻についても,どうも節目を迎えつつあるように見える

要は今,「その時」が来ているように感じるわけです

 

こういう時って,どこまで譲れるのか,の線を事前に決められていると,

恐らくは交渉がしやすいのだと思います

 

もちろん,自分の主張が通るなら,それはそれで良いのかもしれません

けれど,仲直りをしよう,とするなら,

その時の100点満点は,長い目で見たときの100点満点とは言えない可能性もあると思う

 

すると,大切なことが見えてくるように思います

それは,「自分たちがどうしたいか,どうなりたいか」という視点はもちろん重要

だけれども,それと同時に,相手が何を望んでいるのかを理解しようとすることも非常に重要

 

こういう機会って,ものすごく重要なトレーニングになるように思います

だって,日本のことだったら,本来的には自分事なわけですし,

自分が日本の代表者だったとしたらどうしたいか,どうしようとするか,を考えられるから

 

そして,そのトレーニングの成果を,自分自身の実生活の中で使う

トレーニングって,いろいろなことを使ってできると思うし,そうしたいよな,と私は思います

20221105-20221111を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~最終回~

 

 

ドル-円相場の荒い(粗い?)動きに,

「こんなこと,これまであったか?」と,記憶をたどっているのですが,

さすがにここまでのことはなかったように思います

 

これにはいくつかの要因が絡んでいると理解しています

その1つはAIです

これまでのデータから「学んだAIが判断している部分がある」わけですから,

恐らくは,どこのAIも,同じような予測をするはず

だから,一気に動く,そして,荒い動きになる

まさに,VUCAの時代っぽい・・・

 

そして思うわけです

カネそのものに固執してても仕方ないよね,と

 

実は,「宵越しの金は持たない」という生き方って,

その昔は単純に「ダメだろ!」と思っていたのですが,

「あれ? そんなことないんじゃない?」

 

生活する上で,経済的なものが必要になるのは事実だけれど,

それが「最低限は」ということだととらえれば,「なくなりゃ働いて稼げばいい」わけで・・・

だからと言って,「宵越しの金は持たない,を実践せよ!」と言っているわけではなく,

自分の人生,カネに縛られているとは,考えが歪むな,と

 

うーん・・・,イマイチうまく言えません・・・

20221022-20221028を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第9回~

 

 

先週の円買い介入の私の予想は,大外れ,で,

翌週明けも,円買い介入した模様

まあ,予想とは,そんなもの,なんでしょう(苦笑)

ただこれで,政府・日銀が,1ドル=150円を意識しているのは明確なのでしょう

それでも,円安傾向に変わりはないわけで・・・

 

さておき,

問題と課題の違いについて,仕事の関係上,よく質問されることがあります

私は,「問題は発生するもの,課題は解決のために抽出するもの」

ということを,基本的な考え方としてお示ししています

どういうことか?

それを理解する恰好の材料が,この週にあったクレジットカード不正利用の話題です

 

クレジットカードで発生している問題は,不正利用の増加です

「そんなことがない状態=安心して,利用でき,それが拡大する状態」を実現したいわけですが,

その状態とはギャップが生じている

これが,問題

 

では,どうするか?

 

問題のママでは解決しないわけですから,課題に落とし込みたいわけです

番号漏えい防止・システムの安全性確保・不正利用防止等々が,

解決したい課題,となるわけです

要は,課題を解決できるシステムの要件ということですかね

 

そして,具体的な解決策として,業界全体でシステム再構築をする,

という案を選択しようとしている

 

事例を聞くと,当たり前のように感じるかもしれません

が,問題から解決すべき課題を抽出する,というのは,こういうことなわけです

言われてみたら,それほど難しいことではない

 

そんなものなんだ,と私は思っているのですが

20221015-20221021を振り返る 

 

1週間で5円ほど進んだ円安に,

日銀がたまらず(?)円買い介入を行いました

さて,どれぐらいの効果が得られるか?

 

前回の介入は,ほぼ1カ月前

あれよあれよと1ドル=145円を超え,146円になろうかというタイミングでした

ということは,145円を意識していた,ということだと思います

そして今回日銀は,150円を意識していたと考えられます

 

また,前回は祝日含む3連休前のタイミング,今回は土日前のタイミング

これも偶然ではないでしょうし,

日銀,政府関係者が,何らかの報道されるレベルの発言をしたタイミング後,

というのも偶然ではないのだと思います

 

こんな事実を積み重ねていくと,

次に円買い介入をするとしたら,1ドル=155円,という線で,

その週末,もしくは,祝日前,というタイミングなのかな,と想像するのですが・・・

 

もちろんこれは,予想です

実は前回の介入後,あるいは,円安が大幅進行し,130円を超えた頃,

専門家・市場関係者・アナリストと呼ばれる方5人程度の方が,

年末までの水準について予想をしていましたが,

誰一人として,1ドル=155円というような値は示していません

それどころか,130円を超えた4月末頃には,120円台を予想していた方もいる

 

要は,市場に詳しい人,よく見ている人たちですら,そうなんだ,ということ

そういうものだ,ということを,理解しておいた方が良いだろう,ということです

 

ただこれは,予想してもムダだ,という意味で言っているのではありません

そうではなくて,誰かの意見で決めるのではなく,

自分で考え,自分で判断することが大切なのだろう,と言っているわけです

もちろん,参考にするのはまったく構わないわけですが

 

自分で考えてみる,判断してみる

そのトレーニングとして,今回の円安ドル高の動向は,

とてもおもしろい題材なのではないかな,と思います

20221008-20221014を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第8回~

 

 

ロシアのウクライナ侵攻に関する一連の動きを見ていたとき,

度々思い出すことがあります

それは,歴史の世界で習った,第2次世界大戦の頃の,

大日本帝国時代の日本の動き

張作霖爆殺事件,関東軍,満州国建設・・・

 

なんか,同じだよな,ということと,歴史がリアリティを持って問いかけてくる,と言うか・・・

とすると,歴史に学べることは,やっぱりあるよなあ,と思うんですよね

 

そして,もう1つは,SF

宇宙戦艦ヤマトや,銀河鉄道999など,

松本零士さんの一連の作品を,よく思い出すんですよね

放射の除去装置に,機械の体・永遠の命・・・

 

私たちの想像力にも,学べることが

あるよな,と思います

20221001-20221007を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第7回~

 

 

世界の,と言うよりも,日本の近隣諸国の動き,が,

ある意味では,今,世界の話題の中心なのかもしれません

残念ながら,良い目立ち方ではなく,悪目立ち,ですが・・・

 

そんな中で,大谷翔平選手の,投打の規定数突破のニュースは,

本当に「明るい話題」だと,思います

何より,多くの人々に,希望と勇気を与えてくれている,と思う

 

一般人の私にしてみると,その成果は途方もないことのように見えるわけですが,

その成果を得られた理由に目をやると,恐らくは普遍的なものを抽出できる

と思います

 

それは,ひと言でまとめると,自分自身に対するリーダーシップなのだ,と表現できると思います

 

その出発点は,「こうなりたい,これをやりたい」という,

自分の人生に対する目標,ありたい姿を描いたこと,だと思います

そして,その姿と,その時点の自分とのギャップを問題ととらえ,

問題自体を分解して,課題として抽出し,

多くの課題について戦略的に優先順位づけして,

抽出した課題の1つひとつを解決する行動をし続けた

やがてその1つひとつの行動は習慣となり,

1つの課題を解決すること,そして,その成果を確認できたことで,

そのこと自体が自信となり,勇気を与え,さらにやる気を喚起している

 

1つのことを,とにかく徹底してやる

習慣化するまでにかかる時間は,

簡単なもので1カ月程度,難しいもので2カ月はかかる,との研究結果があるのですが,

習慣化にあたって,さまざまな工夫をしたのだろうとも思います

自らのなりたい姿はもちろん,仲間との助け合い,プライド,ご褒美の設定・・・

 

そうやって,自分に対するリーダーシップを発揮することで,

悪目立ちではなく,良い目立ち方ができるようになっていくのではないか

石の上にも3年は,別に何もせずに思い続けよ,ということではなくって,

ローマは1日にして成らず,との掛け合わせだ,ということなのかもしれませんね

20220924-20220930を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第6回~

 

 

筋が良い,と思える施策と,筋が悪い,と思える施策

その差って,どこにあるのかなということを,ぼんやり考えています

と言うのも,正直,最近の大きな話題になるようなことは,

筋の悪さが目立つように思うから

ただ,筋が悪い施策は,大多数が反対するから,では,決してないと思います

大多数が反対しても,筋がいい,と感じる施策はあるわけで・・・

 

これに当てはまれば筋がいい,とは言えないのですが,

それでも「最低限の要素」となるのは,やはり論理のように思います

 

論理と言うと難しく感じる方もいるようですが,

その1つは,施策を実行すること自体のシナリオと言うか,ストーリーが語れるものなのか,

ということだと思います

もう1つ,忘れてはならないと思うのは,

現状は,どんなルールやしくみ等々の上で成り立っているのか,ということであり,

それらのルールやしくみ等々の,デメリットだけでなくメリットも評価した上での施策案なのか,

ということだと思います

逆に言えば,現状の問題点だけをあげつらって否定しているような施策案については,

筋の悪さを疑った方が良いように思うし,

逆もまた然り

 

論理と言っても,まずはその程度のことなのではないかな,と思います

20220917-20220923を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第5回~

 

 

英国エリザベス女王の国葬が執り行われました

多くの人が,これを映像で見たのではないか,と思うのですが,

これは倍速で見られたのでしょうか?

 

葬儀,なので,面白おかしいものではないわけですが,

やっぱり,英国という国とその伝統や文化を感じられるもの,だったわけで,

倍速にしてしまうと,その味わい深さ,とでも言いますか,

そういったものは,感じにくいのではないかな,と思ったりします

飛ばし飛ばしみるほうが,まだ良いとでも言うか・・・

 

さておき,来週,安倍元首相の国葬儀なるものが予定されているわけですが,

この機会は何を感じられるものなのだろう?

決して文化や伝統を背景に,執り行われるものではないわけですから,

何らかの価値を見出したいのですが・・・

 

上皇陛下が亡くなられるだろうタイミングも,それほど遠くない時期にやってくるわけですが,

その機会との関係にも思いをはせる部分が,私にはあります

天皇陛下ではないわけなので,どうなるものなのか?

 

いずれにしても,比較するからわかる部分があるし,

より密接に,自分たちに関わることを考えるきっかけにできる部分も,

また,そのこと自体の在り方を考えられる部分もある

 

そういった機会を与えてくれているととらえられるかどうか

その機会を使って考えられるかどうか

 

それって,ちょっとしたことかもしれないけれど,ものすごく大切なことのように思います

20220903-20220916を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第4回~

 

 

9月15日の日経新聞に

「畜産基金,123億円過大算定,TPP対策運営ずさん,検査院指摘」

との見出しの記事が掲載されました

 

この記事,私はこのようにまとめましたが・・・

TPP対策の畜産基金,支給遅れ常態化,

中心となる納期リース費補助事業の2019年度申請分は決定までに平均14カ月で辞退者続出,

農水省は毎年支出上回る国費積み増し,

基金残高20年度末には1007億円に膨張,会計検査院が123億円の過大算定指摘

 

もっとも思うのは,

おいおい,国が勇気を持った挑戦者の足を引っ張ってどうする

国産ブランド力アップに貢献しようとしている人を,ナゼ,ないがしろにする

ということ

 

補助金,助成金の申請は決してラクな作業ではありません

時間も手間もかかるのですから,相当な覚悟をして申請している

それを平均で14カ月もかかるって・・・

そして,申請しても辞退者続出って,

その人たちの時間,何だと思ってる? 対応した職員の時間というムダは?

 

「平均だ」ということも大問題

「最大値」は,どれぐらいだったんでしょう?

気の毒で仕方ない・・・

 

そして・・・

会計検査院が123億円もの過大算定を指摘しているということ

これって,実際にはもっとある,ということだと理解すべきでしょうが,それはさておき,

123億円も「なんもせず,ただただ放っておいている,塩漬けにしてる」ということ

今,米ドルにしたら,現状でも年換算で2億円以上の金利が得られる計算になる塊を,です

 

このような見方をすると,この件だけではなく, 

「できることを考えるだけ」でも,問題の「解決まではできずとも」,

その状況下で,プラスに作用させられることはあるのではないかな,と思うのですが・・・

20220827-20220902を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第3回~

 

 

VUCAの時代と言われ,久しくなりました

改めてVUCAを確認しておくと,

 Volatility=変動性,Uncertainty=不確実性,Complexity=複雑性,Ambiguity=曖昧性

の頭文字を取った言葉なわけですが,

そんな時代だからこそ,「軸になるもの」が大切なのだ,と思います

 

では,何が軸なのか? と言えば,「価値観」なのだと思うわけです

「同じ価値観を共有すること」が,この時代で成果を出そうとすると必要になる

 

ただ,言うは易し・・・

仮に同じ言葉を使っていたとしても,解釈の違いは生まれるもの,でしょうし,

さらに,同じように解釈していたとしても,理解の深さにはバラツキがあると思うので

 

一番早いのは,なんだかんだ言っても「同じ,あるいは,似たような経験」なのでしょう

そのような側面から,たとえば部活などをとらえ直したら,

短期的な成果だけではない何か,とは,一体何なのか?

ということが,わかる部分もあるのではないかな,と思います

20220820-20220826を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第2回~

 

 

ここのところ,批判的思考について少し考えています

不可欠な思考の技術,と言われつつ,

日本という環境においては,自然に身につく力ではないという意見も

では,どうやって培うのがよいのだろうか・・・? と思うわけです

 

さて,上記の4つの文だけとってみても,批判的に見ることができるわけですが,

それが当たり前にできる人もいれば,

なかなか難しいという人もいるのだと思います

 

要因として考えられること,その仮説はいくつかあるわけですが,

いずれにしても,批判的思考ができることは武器になる,と私は思います

その1つの理由は,批判と非難の混同が見られるから

 

非難は決めつけ,ですが,批判はある意味では問いかけです

非難は否定,ですが,批判は多様な視点の提供ですし,マイナスの指摘に止まりません

 

と,こう示した時に,「それって本当なの?」と問うのが批判なわけですが・・・

 

この1週間で,批判的思考のトレーニングのネタとして面白そうだな,と

私が思ったのは・・・

 原発稼働

 北朝鮮の韓国への反応

 日本電産の社長問題

があります(他にもあるのですが・・・世界的なウクライナ問題とか・・・)

 

これらの問題を批判的に見ていくと,

その視点によって,何を課題ととらえるか,が変わると思います

すると,視点をそろえることから検討を始める必要があるのか,

洗い出された課題に関しての検討から始めればよいのか, 

といったように,その検討の幅も変わることに気づけるのではないか,と思うわけです

 

そして,そのようにとらえられるなら,

「考えることは人間にしかできないのではないか? 今のところは」

と,思うのですが・・・

20220813-20220819を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「逆襲のビジネス教室」 池田 貴将 著 ~第1回~

 

 

今週,実は衝撃を受けた話題があります

それは,「英軍が,英国内でウクライナ兵への訓練の様子を公開した」というもの

 

もちろん,多くの人が薄々は気づいているわけです

ウクライナは,旧ソ連であった国

兵器にしても,旧ソ連製が多いと考えられているわけですから,

訓練でもしなければ,供給した兵器を使いこなせるわけはないだろう,と

でもそれを,あからさまに示したわけです

 

このメッセージがどのように受け止められるのか?

うーん・・・

20220806-20220812を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「第三次世界大戦はもう始まっている」

 エマニュエル・トッド 著 ~最終回~

 

 

何の脈略もないのですが,

今週から,しゅうかん振り返りで取り上げる問題について,1日3問にしてみました

きっかけは,たまたま8月12日に取り上げた記事が4つしかなかったからなのですが・・・

 

そもそも,取り上げる記事自体を減らそうと思っていました

デイリーでピックアップする記事は,いろいろな意図をもって取り上げてはいるのですが,

多くの記事を取り上げ過ぎても,記憶に残りにくい

一方で,目に触れる回数が多い情報ほど,注意喚起にはなりやすい

そのバランスを,常に模索している部分があります

 

日本のアイデンティティに大きな影響を与えていると思われる出来事を踏まえ,

恐らくは多くの日本人が,平和を考えるこの時期ですが,

それと大きく関連するであろうウクライナ問題は,メディア露出が大幅に減っています

同国内における原発が置かれている状況などを取り上げるまでもなく,

これが,未だ大きな問題であることに変わりはないのに・・・

 

これって,どういうことなんだろうか? 

やっぱり,考えたいことの1つだと,私は思うわけです

 

しゅうかん振り返りをお届けしているのは,

ピックアップしている記事を複数回提示することで,記憶喚起する意図がある

ただ,やっぱりそれだけではないわけです

その1つは,記事を使って「考える」ということ,してみたいということ

 

世の中で起きていることですから,「どこかでは,1つにつながっているはず」ですから

量が問題の本質ではないとは思います

それでも,量が多すぎるとするなら,「考える深さ」に,影響を与える部分はあると思う

 

やっぱりバランスって,大切だよな,と思う

だから,やっぱり模索する必要があるのだと,私は思うのです

20220730-20220805を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「第三次世界大戦はもう始まっている」

 エマニュエル・トッド 著 ~第3回~

 

 

アメリカに対してちゃんとモノを言わないと,

リスクはどんどん高まる

 

これは最近,ますます強くなった感情です

 

ロシアのウクライナ侵攻を非難している時に,

他国に潜伏しているアルカイダの指導者を,ミサイル攻撃で殺害するとか,

大統領代行順位NO,2で,大統領と同じ民主党の下院議長が台湾訪問するとか,

小さな子どもが聞いたって,論理的に整合性がつかないことをやっている

批判のスキを与えすぎです

 

どうもアメリカっていう国は,

TV版のドラえもんに出てくるジャイアンのよう

ジャイアンにだって,良いところはたくさんあるのだけれど・・・

 

アメリカが不用意な行動を取ったとき,

もっともリスクにさらされるのは日本(韓国も,だけど)

原爆を落とされた唯一の国だからこそ,

自国のリスクが高まることに対してが,もっとも譲れないことだと思うのですが

20220723-20220729を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「第三次世界大戦はもう始まっている」

 エマニュエル・トッド 著 ~第2回~

 

 

新型コロナの新規感染確認者の急拡大に対し,

新たな政府施策が提示されているわけですが, 

もう少し,「さまざまな可能性」を先に検討し,

「こうなったらこうする」という策を検討しておけば,

こんなに大騒ぎしないで済んでいるのではないか,と思ってしまいます

 

このような側面は,人口のような問題にも,企業成長のような問題にも,

あるいは個人的な問題にも見られる側面なのだと思います

そして,個人的な問題に近ければ近いほど,客観的に見られない部分が大きくなる

やっぱり,冷静な予測より,感情的な期待,の方を見てしまう

 

だからこそ,社会現象でトレーニングをしておいた方が,良いのではないか,

と思うわけです

影響はあっても,それが大きすぎる,ということはないでしょうから

 

やったことがないことにうまく対処できる,なんてことは,

多くの場合,難しいでしょうから・・・

20220716-20220722を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「第三次世界大戦はもう始まっている」

 エマニュエル・トッド 著 ~第1回~

 

 

予想通り,と言いますか,新型コロナの感染が急拡大しています

そして,これも予想どおり,一見すると大騒ぎ

でも・・・

実態,と言いますか,社会一般の状況は,そういう雰囲気ではないように思います

 

1つの理由は,自分たちが困ることって,そんなにはないからではないかと思います

多くの人にとっては,急な仕事の発生などに対する不満は生じる可能性はあっても,

健康の面,経済的な面等々,さまざまな面で,困りごとにはならない

 

一方で,医療従事者や介護従事者,

あるいは,人と接する仕事をする人たちや,経営者などにとっては,

身に迫る「困りごと,心配ごと」だった

他にも,この夏の旅行を楽しみにしていた人たちなどにとっても同様でしょう

そんな人たちの場合,

積極的にワクチン接種したかったり,させたかったりしたはず,とも思います

でも,その機会は,平等には与えられなかった

 

このようにとらえると,

いまさらまた,医療逼迫だの,高齢者がどうだの,と言われたって,

多くの人々がその気にならないのは,ある意味当然なのではないか,と,

私は思います

 

すると,どうしても思ってしまうんですよねえ

足かけ数年になるのに,政治,何やってるんだろう?

 

もっとも,政治の新型コロナに対するとらえ方は,

社会に暮らす人々とは違うのかもしれませんね

たとえば,パフォーマンスの機会ととらえている可能性もある

大したことではないことだからこそ,敢えて大袈裟に語った方が,

ある意味ではパフォーマンスしやすいし,成果として見せやすい・・・(苦笑)

 

やっぱり物事って,さまざまな見方ができるよな,と思います

そして,さまざまな見方ができること,それを想像できることが,

社会を生きる上ではもっとも役に立つのではないか,と思ったりもするのですが・・・

20220709-20220715を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「私はどうして販売外交に成功したか」 

フランク・ベトガー 著 ~最終回~

 

 

梅雨の終盤に戻ったかのような気候は,

ちょうど,今の状況を表しているかのように感じます

予想通りの結果と,まさかの事件,

そして,予想通りとも言えるような施策と,

あまりにピント外れに思えるような反応・・・

 

社会全体が,どうもイライラ感と言いますか,

消極さで覆われていると言いますか,

私自身は,そう感じてしまっているのですが・・・

 

こういう時に必要なものって,何だろう?

 

手っ取り早いのは,まずは笑顔なのかな,と思いました

「無理矢理笑えば福来る」

そして,自分自身を鼓舞するような,積極的な言葉を見る,使う

良い曲と言うよりは,明るく楽しい,脳天気な音楽を聴く・・・

 

やってみる価値,あるかもなあ・・・,と思っています

20220702-20220708を振り返る

 

 

この1週間のふりかえり,まったく別の原稿を一旦書いていました

けれど,安倍元首相が銃撃され,亡くなった事件に,

本当に大きな衝撃を受けてしまいました

 

そして,受け止めなければならないと思うこと

これが今の日本という国の状況なのだろう,ということ

いろいろな意味で・・・

20220625-20220701を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「私はどうして販売外交に成功したか」 

フランク・ベトガー 著 ~第4回~

 

 

毎週,トピックスのふりかえりをしていると,

「風が吹けば,桶屋がもうかる」という言葉が,よく思い浮かびます

本来的な意味とは異なるのかもしれませんが,

世の中って,つながってるよな,と思うわけです

 

もちろん,遠くで薄っすら・・・ということも多いわけですが,

今週取り上げているトピックスについては,

それらの関わりが非常に強いと感じます

 

どちらが先か,という問題は置いておくにしても,

ロシアのウクライナ侵攻と,NATOの関係などはそのまんま,ではあるわけですが

エネルギー問題や食料問題との関係,中国,北朝鮮などの動き,

あるいは,新型コロナなんかも,その影響と無縁ではないと思うわけですし,

それらはすべて,経済活動や,経済の動向にも影響している

 

そんな大きな世のうねりの中,であっても

私たちはみな,自分たちの幸せを目指して生きているわけで・・・

 

それぞれに,それぞれの思惑はあるにせよ

「WIN-WIN」の関係を築くことでしか,物事って解決しないのではないか?

と,私は思っています

そして,だからこそ,自分起点,自分はどうしたいのか,どうなりたいのかが,

何より必要なのではないか,と思うわけです

 

それがなかったら,相手に「自分のWIN」が伝わりようがないから・・・

20220618-20220624を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「私はどうして販売外交に成功したか」 

フランク・ベトガー 著 ~第3回~

 

 

東京五輪・パラリンピックの最終報告書が公表されました

報告書,と言うからには,知りたいのは,

「そもそもは,これだけのお金をかけ,これだけの効果を狙っていた」

ということに対して,

「実際,それに見合うだけの,効果が得られたのか?」ということだ,と私は思います

成功は何,問題点は何,それぞれの要因として考えられるのは何

というような総括をして,公表しないと,次に生かすことができない

 

「そういうものになっているか?」

という視点で中身を見たのですが・・・

https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/taikaijyunbi/houkoku/

 

公的機関に限らず,大概の場合,総括っていい加減なんですよね・・・

これをやった,あれをやった,は,それはそれでよいのですし,

意見と言うか,感想と言うかがあってもいい

けれど,

「で,結局,狙った効果は得られたの?」

が最大のポイントであることは,疑いようがありません

その上で,個別の良かった点,悪かった点を,

なるべく客観的にみる必要があると思うのです

 

どれだけの効果があったとしても,

問題点がない,なんてことは,あり得ない

仮にすべての目標をクリアできたのだとしたら,

「その目標自体が低すぎたのでは?」ということになるわけですし・・・

 

そうとらえれば,何か行動をしたなら,必ず成長の余地を見つけることができることになる

その余地があるから,「次はこう変えていこう」というようになる

そして,それを解決しようと努力するから成長できる

客観的に,批判的に物事を見るから,成長の可能性を見出せる

 

どうも批判自体を遠ざけようとしているように感じるのです

今の世の中,批判と非難が同一視される傾向があるように思うのですが,

実際にはまったくの別物

批判とは,良い点,悪い点を切り分けること(と,辞書でも定義されている)

そして,仮に悪い点であったとしても,そのウラにある良い点も見つけることはできる

 

批判と非難とを区別し,まっとうな批判をすること

成長を目指すのなら,あるいは,より良いを目指すのなら,

批判することはものすごく大切だと,私は思います

(まったく批判されない,としたら,何もやっていないことと一緒だろう,とも思う・・・)

20220611-20220617を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「私はどうして販売外交に成功したか」 

フランク・ベトガー 著 ~第2回~

 

 

米欧が,インフレ対策として,金利引き上げに動いている一方で

日本はこれまでの金融政策を維持しています

日本のこの政策にさまざまな意見が聞かれるわけですが,

「日本のインフレ率と,米欧のインフレ率とを比較する」という視点だけから見れば,

この政策は妥当性が高いように見えます

 

そして,日本のインフレ率が,米欧と比較すると大幅に低いことだけから考えても,

「米欧が,消費税率等の暫定的な引き下げを行っている」といったことを理由に,

日本がそれをしないのはおかしいというように考えるのは,

相当無理筋な意見だと思われるわけです

 

もちろん,ここのところ値上げラッシュのような状況になっているのは事実なのですが,

それは他国と比較した場合で考えると,その値上げ幅は小さいということになる 

 

このような事実を冷静にとらえると,

日本の最大の問題は,

日本が安くなっている,ということに気づいている日本人が少ないこと

ではないかと思うのですが,どうなんでしょうか

 

それをもう少し広げてとらえてみる

つまり,自分たちの当たり前を疑ってみると,

少しいろいろな見方ができるのかもしれないな,と思います

20220604-20220610を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「私はどうして販売外交に成功したか」 

フランク・ベトガー 著 ~第1回~

 

 

最近,どうもルールというものの存在が気になります

世の中に,ルールというものがどの程度あるものなのか?

法律や条例に限らず,各種業界団体ごとに,あるいは,企業などの組織に,

はたまたスポーツなどのゲーム等々にもルールはあるわけで,

それらすべてを集めると,それこそ数えきれないほどのルールがありそうですが・・・

 

もちろん,法治国家である以上,法律がないと物事は動かない,わけですが,

「守れないから作られてしまう」法律や条例,その他のルールが多過ぎるような・・・

 

法律も含めたルールには,私は大きく2つの種類があるととらえています

1つは規制や罰則基準に当たるようなタイプ

もう1つは方針に当たるようなタイプ

 

今,設定されるルールや厳格化が議論されるルール,問題視されるようなルールの多くは,

規制や罰則基準に当たるようなタイプのものなのでは?

たとえば,給付金の不正受給とか,あおり運転とか・・・

 

そもそも法律すべてについて知り尽くしている人なんて,

一般の人には,ほとんどいないでしょうし,

その他の個別のルールまで含めたら,

それらを1個1個とらえていくことは,AIでもなければほとんど無理なわけです

 

だとしたら,自分にルールを持つ方が速い

もちろん,社会の基本的なしくみに適合するような,方針に当たるルールです

当たり前をつくる,と言うか,普通をつくる,と言うか・・・

結果,「それを普通にやっていれば」,特に困ることはないし,罰を受けることもない

 

そしてそのルールは,めぐりめぐって自分のところに回ってきても,

それで自分が困らないことを基準にするといいのではないかなあ・・・と思いますし,

自分が物理的にできることについて,しっかり努力すれば,

利となって返ってくるルールがいいのではないか,と思うのですが・・・

20220528-20220603を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~最終回~

 

 

ロシアのウクライナ侵攻は,世界にさまざまな問いを投げかけていると思います

もちろんそれは,日本にとっても,他人事ではない

 

食糧問題,エネルギー問題といった,人が社会を生きる上で最低限必要なもの,

安全保障問題など,人が安心して暮らすために必要なもの,など,

「本当に,現状の延長線上で大丈夫?」という問いであり,

さらに言えば,「グローバリズムは,その答えなのか?」という問いなのかな,と思うわけです

 

グローバリズムは,国際市場というとらえ方を提示すると共に,国際的な分業を促しました

それは,効率化を促進したし,強みを伸ばすことにも貢献した

その一方で,自給自足に耐えられない環境をつくりあげた部分もある

と言うよりは,結果として,自給部分の極端な削減に貢献してしまった部分があるのでは?

弱みが極端に先鋭化されてしまった,と表現した方がよいかもしれません

 

私たちが生活する上での最低限は何か? と言われたら,

水,食料,そして,現代社会ではエネルギーなのだと思いますが,

では,日本の場合はどうなのか?

 

もう1つの日本の大きな問題は,インフラの老朽化なのではないか,と私は思っています

仮に当時の最先端であったとしても,完成の瞬間をピークに,その価値は目減りしていくし,

一定程度以上の保守点検費用をかけざるを得ない

それを怠ると,愛知県の明治用水で起きているような問題が,突然のように起きる

日本のインフラの多くが,高度経済成長期に構築されたものだとすると,

それらは相当な劣化が進んでいる状態だ,ととらえられるわけです

 

このような大きな問題に,一人ひとりが答えを出すことは難しいでしょう

でも,「何が大きな問題で,その大きな問題の解決に少しずつでも貢献できることは何か?」

という順に考えていくと,意外に,さまざまな対策案が考えられそうに思うわけです

 

たとえば,マンション住まいであっても,小さなプランターでミニトマトぐらいは作れそうですし,

パン食よりはご飯食に,小麦の菓子よりは米菓に,ビールよりは日本酒にした方が,

微々たるものとは言え,国内のコメの生産価値を高めることにつなげられそうですから,

米農家の生産意欲の向上に貢献できる部分もあるかもしれません

太陽光発電や蓄電池の設置・利用なども,1つの対策なのかもしれない

 

優先して考えるべきことって,実はそういうことなのではないかな? と思います

だって,自分に返ってくることだから

そして,そこで自分なりの答えを考えることで,自然と考える力も身についてくる

 

そうだとすると,政治がすべきは,

何が暮らしに大きな影響を与える,解決すべき問題なのかを示すこと

それを解決するために,みなさんができることは何かを問うこと

そして,その具体的なできることを紹介すること

なのではないのかな?

 

池上さんじゃないけれど,政治が「いい質問」ができれば,

考えることを促すことになるわけですし,

それぞれの立場からの,たくさんの知恵が集められるから,

そこから選択し,試す力があれば,成果を上げられる知恵も見つかり,

結果,成果も上げられる

 

なんか,そういうことなのではないかな,と,最近特に思うのですが・・・

20220521-20220527を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第6回~

 

 

国会の2022年度補正予算案の質疑が行われています

その質問の一部は,相当無責任だなあ,と私は感じます

 

というのも,質問に対する答弁に,さらに質問する,という形式において,

さらに質問の部分で,誰かを貶めるようなフリップを事前に用意する,

といった行為が横行しているから

それって,自分の質問していることが,受け入れられないことを前提に,

そのフリップを用意している,ということですよね?

それでは,質問する意味も意義も,何もないのでは?

その質問者のパフォーマンスとしては,意味があるのでしょうが・・・

 

そもそもその質問の論拠に問題があることを,自ら認めていることになるのでは?

とも思うのです

だから,そのようなフリップが用意できる

そして,そのような問題のある自分の発言については,

却下されるのだから,実行責任が問われる心配もない

 

さらには,国会議員の先生方の時間をムダにしている

国会議員には,税金から報酬が支払われているわけですから,

税金をムダに使うことに貢献しているということにもなるわけです

 

そして,そんなパフォーマンスの行われている質疑が,減税要求だったりすると・・・

何だか頭が痛くなります・・・(苦笑)

20220514-20220520を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第5回~

 

 

新型コロナ禍による制限が,解除されていっています

そして,国内での最大の話題(?)は,マスクなんでしょうか

しかし,これって,どうなんだろう・・・?

 

「政府が統一見解を出さないのは問題だ」というような意見が

政治家からも聞こえていたようですが,

「原則である,3密の回避」を踏まえ,「適宜,自分で考えろ」なのではないかなあ,と

その上で,判断に迷う場合は,「WEBサイトのこれ,見てね」というような形

 

もちろん,日本は同調圧力の強い国とも言われているので,

考えた上での独自の行動であっても,自主警察のようなことが起きるというのはあるかもしれません

でも,「思考力が大切」と言って,指導要領の改訂などを行っている中で,

考えない方向,愚民化の方向に,どんどんどんどん誘導しているような・・・

もちろん中には,「同調圧力が強いから,そういう意味でのリスク回避のために,マスクをする」

という判断をされている方も多いと思いますが・・・

 

私が今週の話題で特に気にしているのは,

フィンランド・スウェーデンのNATO加盟申請,福島第一原発の話題,

そして,愛知での,水の供給不能問題です

 

最後の問題は,インフラの老朽化課題の可能性が高いわけで,

だとしたら,「他はどうなってるんだ?」を,早々に情報開示してもらいたいわけですが,

あれ? あまり情報が入ってこない・・・

対応についても,工業用水優先で,農業用水は後回しの状況という話のようですが,

でも,本当に,その優先順位なのだろうか?

確かに,農家はそれぞれ小規模で,影響が少ないように見積もっているのかもしれないけれど,

「いざ,その時はどうするの?」ということは,

それこそ行政主導で「方針」を出さないと,弱者が常に害を被る形になってしまうのでは?

 

別に議論を吹っ掛けたいわけではないのですが・・・

20220507-20220513を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第4回~

 

 

ここのところ,連日のように報道されていることがあります

1つはウクライナ情勢の話題

もう1つは,知床の観光船の話題

そして,もう2つ・・・

 

ウクライナ情勢の話題は,今とこれからの安全保障の問題であり,

また,昨今の物価高や,円安等々へ,大きな影響を与えているととらえられるわけですから,

その考察された情報は,

「私たちはどうしたいのか?」を考える上で,非常に重要だと思うのです

 

知床の観光船の話題は,

既にこの場で指摘したような視点,さらに,「行政による監査って,税金じゃん」という意味でも,

その有効性という視点から,「私たちはどうしたいのか?」を考えた方がよいと思います

 

ただ,もう2つの話題って,こんなにメディアは取り上げなくてはならないものなの?

 

もう2つの話題というのは,ご遺族がいらっしゃる話題です

この2つの話題,私たちに何か検討を促すような取り上げ方になってるものなのでしょうか?

 

2つの話題のうち,一方の話題に関して,

2万組超の相談を受けたという方が,

「芸能人のそれに関する報道は絶対に見てはならない」ということを主張されています

その全文を読んだのですが,私自身はその記事に共感を覚えました

短絡的な報道,及び,その質でくり返される報道による害を示したものであり,

「だから,見てはならないのだ」という主張だったからです

 

その一方で思うのです

この方は,専門家として,この記事を書かなければならなかったのだと思う

けれど,この記事の存在自体が,それを助長する部分もあるのではないだろうか?

 

本当に,難しいな,と思います

20220430-20220506を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第3回~

 

 

行動制限のかかっていない3年ぶりのGWということで,

各地,かなりの混雑となったようですが,

休みのはずが,かえって疲れた,という方も,もしかしたらいらっしゃるかもしれません

 

最近の話題を見ていると,

いくつかのキーワードに集約されるのだろうな,と感じます

そのキーワードとして私が感じているのは,

食料,エネルギー,環境・・・

 

そして,世界はつながっているわけなので,この3つでさえ独立しているわけではなく,

1つにまとめてしまえば,そのキーワードは「安全保障」になるのかな,とも思います

 

すると,

「安全が脅かされたと仮定し,何がどうなっていたらよいのか?」

と考えていくと,ある種の方向性が見えてくる,と言いますか,

自分の考えを整理しやすくなるのなかな,と思います

自分の考えを,

「こうなったらどう考えるのか?」という論理でつなぐ,と言いますか

矛盾がないか点検する,と言いますか・・・

 

私たちは,日々,さまざまな情報に触れています

その情報に感情を揺さぶられる部分があると思うのですが,

そんなときでも,根本に近い問題に立ち返ってみると,

大きな判断ミスはしにくいものなのかもしれないな,と思うのです

20220423-20220429を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第2回~

 

 

GW前の観光船の遭難事故,

被害に遭われた方については,お悔やみ申し上げるしかありません

ただ,だからこそ,学ぶべきことがあると思うのです

 

今回,国は,「運航会社がすべきことの強化」を対策として考えているようですが,

私はそれが解決策ではない,と思っています

事故が起きると,このようなルール強化が具体的な方法になりがち

でも,ルールを増やしたって,やらないところはやらない,

嘘つこうと思えば,「問題が発生しない限り」,嘘はつけるわけです

 

今回の遭難事故を起こしたこの会社も同様なのでは?

 

この会社,前年に2回,事故を起こしていたとのこと

それが多いのか少ないのか,は,わからないのですが(ということにしておきますが),

事故を起こす,ということは,それなりに問題がある,ということ

だからこそ,事故を起こすと,都度,行政監査が入るしくみになっている・・・

 

するとやはり思うわけです

「行政監査,何やってるのさ」

監査がどういうもので,どんな指摘をし,何が改善され,運航再開が認められたのか?

そして,その実行状況は,どう監視することになっていたのか?

 

もちろん,観光船の運行会社に責任がある

けれど,今回の事故を未然に防げなかったのは,行政監査のしくみの方にあるのでは?

行政監査をすること自体が目的化して,行政監査の本来の目的が,忘れられてしまっている

安全確認がされていない会社に,運航再開を認めてしまったのだから

しくみを作って,お金もかけて,それでも安全運航を機能させられなかったのだから

 

そして思うのです

手段の目的化は,どこでも起きる・・・

20220416-20220422を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「News Diet」 ロルフ・ドベリ 著 ~第1回~

 

 

ロ・プーチン大統領が,マリウポリについて,

実質的な「掌握宣言」を出しました

事実がどうなのか,は別として,

この後は,マリウポリは,兵糧攻め,

その後は,生け捕りした兵士に「ネオナチ」と言わせる,

などが予想されるとのこと

 

その場にいらっしゃる方々のことを思うと,心が痛みます

が,そこで自分にできることは何か? を考えると,

それには限りがあるのも事実なわけです

自分がコントロールできる範囲にないのですから

 

一方で,こうも思うのです

 

 自分がコントロールできる範囲にあることについて,

 自分はしっかりとコントロールしているのか?

 

人というものは面白い(?)もので,

自分がコントロールできない範囲のことに関心を持ちがち

それは,物理的な量の問題として,その範囲のことが多いからなのかもしれません

 

それでも,

もっと自分がコントロールできる範囲のことについて,

しっかりコントロールできるようにすれば,

結果として,自分がコントロールできる範囲のものを増やせるように思うのです

 

 では,そもそも自分がコントロールできる範囲のことって,何?

 

それはやっぱり自分なのでしょうが,

自分のことだって,たとえば病気など,コントロールできない部分はある

すると,自分がコントロールできる範囲は? ということを

しっかりと考えてみることが,最初の一歩になるように思うのです

20220409-20220415を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「エマニュエル・トッドの思考地図」 エマニュエル・トッド著 ~最終回~

 

 

実は日頃,思っていることがあります

それは,「どうもうまく使い分けがされていない言葉があるのでは?」ということ

その1つは,批判と非難

どうも批判という言葉,非難と同様に使われている場面が多いように思うのです

 

実際に調べてみると,

批判とは・・・

 良し悪し,可否について論ずること

非難とは・・・

 欠点や過失などを取り上げ,責めること

 

批判は,良し悪しを論ずること,なのですから,必ずしも否定的ではないわけです

ただ,辞書の注釈には,こうもある

現在では,ふつう,否定的な意味で用いられる

うーん

 

「批判的に考える」こと,つまり,

批判的思考=クリティカル・シンキングは,非常に大切とも言われているわけですが,

「批判」という言葉に手垢がついてしまっていて,

否定的な意見自体が,批判的思考であるかのようにとらえられてしまう場合がある

でも,単純に否定するだけでは,論じていることにはならないわけですから

批判的思考とは言えないわけです

 

言葉というものは,時代とともに確かに変わる部分があるのだけれど,

それによって生じる混乱をどう解決するか?

よく知る相手なら,何らか考慮しながら発信することができるだろうし,

対面であれば,フォローもできるのだろうけれど・・・

難しいなあ・・・と

20220402-20220408を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「エマニュエル・トッドの思考地図」 エマニュエル・トッド著 ~第4回~

 

 

久々に,自然とワクワク感を得られていることに,かなりびっくりしています

その理由は,メジャーリーグの開幕です

大谷選手のプレーを見られることに,本当にワクワクしている

それだけ,大谷選手がスゴイということなのだと,改めて感じるのですが・・・

 

このようなワクワク感を呼び起こしてくれるのは, スポーツだけではない

その他にも,音楽,芸術などは,そんな強い力を持っていると

ものすごく強く感じるのです

 

人間の本質は遊びだと,確かホイジンガが言っていたと思うのですが,

それって,こういうことなんじゃないかな,と

悲しいニュースがたくさんあると,

平静であるつもりでも,どうしてもそれに引きずられている部分があると思うから

 

だとすれば,

ちょっと歌ってみたり,ちょっとリズムに乗せて体を動かしたり,

といったことを,自らが意識的にやってみることで,

自然と楽しい方向に,自分も他者も,導いていけるのではないか? 

 

 そっかあ!

 エンターテインメント性って,そういうものかあ・・・

 

と,何だか腑に落ちた気がしています

20220326-20220401を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「エマニュエル・トッドの思考地図」 エマニュエル・トッド著 ~第3回~

 

 

4月に入り思うのは,モノの値段上がってるなあ・・・ということ

新型コロナに,ロシアのウクライナ侵攻が加わり,

さらに,大きな地震の影響が残るなど,

さすがに企業側が耐えられなくなっている,ということなのかもしれません

ただ・・・

人々の所得が増えているわけではないわけなので,

今起きているのは,悪いインフレ傾向,ととらえられます

 

このような悪いインフレ傾向が見られると思うことがあります

その1つは,原材料費の高騰,燃料費の高騰といったことが理由の値上げの場合に,

その後値下げされることはあったっけ? ということ

この理由での値上げだったら,それが下がったなら値下げするのが筋なわけですが・・・

不思議に思うことは他にもあって,

たとえば請求書のWEB化などで,それを郵送する場合にはお金を取る,という対応

WEB化するのは,組織側の都合であり,論理なのですから,

平然とやる,しっかりとした告知なしにやる,というのはちょっとどうなんだろうか?

 

こういう状況になってしまう根本原因,実は,

生産性を考えるときに,効率化の視点中心に考えているからなのではないか,と思うのです

ただ,効率化,つまり,Inputの削減には限界があるのですから,

やっぱりOutputをいかに拡大するかに,より大きくパワーをかけないと,

モノの値段が上がることはあっても,所得が増える回路にはならないな

 

 

企業にしても,働く人にしても,組織側というのは,

人間が習慣の動物であるというその性質上,基本的にはリスク回避志向です

Outputの拡大にパワーをかけるのは,ハイリスクの側面もあるのですから,

よりしくみ的,よりしかけ的にしないと,その動機づけにならない

 

ただ,今,この状況は,チャンスなのではないか,と思いもします

「本当に何かやらないと,マズイ・・・」

健全な危機感は,行動の動機づけの1つにはなるのだと思うからですが,

うーん,でもそれだけでは,やっぱり弱いんだろうなあ・・・とも思います

それは,9.11,リーマン,3.11などを見てきているから・・・

20220319-20220325を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「エマニュエル・トッドの思考地図」 エマニュエル・トッド著 ~第2回~

 

 

ゼレンスキー大統領の日本の国会での演説を聞きました

この演説の構成は,

 「平和という共通の想い」

 「日本が果たしている役割への感謝」

 「起きていること,と,日本人の脳裏に焼き付いている事件・事故の想起」

 「自分たちが共通の想いの達成に闘っていること」

 「国際機関が機能不全を起こしていること」

 「お願いとしての,対ロ制裁の継続」

 「共通の想いに対する態度への敬意」

 「改めての感謝」

というものでした

 

さて,ここでは具体的な内容を,あえて書いていないわけですが,

それは,この演説から学べることがあると思うから,です

 

ゼレンスキー大統領は,他の主要国でも同様の演説をしているわけですが,

共通するのは,それらの演説がいわゆる「パトス=共感」を促すもので,

プレゼンの王道とも言える方法だった点です

また,冒頭など,ところどころに具体的な数字を入れるという,

「ロゴス=論理」にあたるスパイスの効かせ方もまた,プレゼンの王道でもあります

そして,プレゼンのもう1つの要素である,「エートス=人格」は,

先頭に立って闘う姿勢で示し続けているわけです

 

このように演説を見てしまうと,白けてしまうでしょうか?

でも,もしもゼレンスキー大統領の演説に,共感や,それに近い感情を抱いたとするなら,

私たちにも参考にできる部分があるのではないか,と思うわけです

 

 

ところで,ゼレンスキー大統領の演説を聞いて,思ったことがあります

それは,「ロシア大統領にも,同様の機会を与えれば?」というアイデア

ロシアは日本を「非友好国」としたようですが,

「日本は,別に,ロシアという国の存在自体を敵対視しているわけではない」

ということを示せるし,

「<事=行動>について,日本の価値観から是々非々で接する」

ということも示せるのではないか? と思うのですが・・・

 

仮にそれが実現したとして,その演説が終わったとき,

日本の国会議員は拍手で迎えるのか,それとも,ブーイングで迎えるのか?

私はものすごく興味がありますけれど・・・

20220312-20220318を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「エマニュエル・トッドの思考地図」 エマニュエル・トッド著 ~第1回~

 

 

ウクライナ問題は,私たちに,非常に大きな課題を突き付けています

 

たとえば,国際機関は機能不全を露呈しました

国連のグティエレス事務総長が

「戦争を終わらせるため,戦争から生まれた。その目的は達成されなかった」

と発言したことなどは,その典型

ロシアは,国連安保理の常任理事国

その非難決議を棄権した中国も常任理事国です

「人命が第一」という価値観を共有できそうにないことを露呈している以上,

是々非々なんていうことは,夢のまた夢なのかもしれない

 

そして,その両国は,海を挟んでいるとは言え,日本の隣国ですし,

こんな大きな問題が起きている中で,ミサイルを発射する北朝鮮も日本の隣国

だとすれば,日本の安全保障をどうとらえるのか,

その議論は待ったなしととらえることができるわけです

 

原発についても,大きい

原発を攻撃,占拠するロシア軍に,福島第1原発事故を思い出さずにいられませんし,

日本各地にある原発は,本当に大丈夫なのか?

狙われたら,どんなことが起きるのか?

それでも,ロシアからのエネルギーが得られない中で,どうするのか?

 

もちろん,他にもたくさんの課題を投げかけている

ナゼ日本は,人道支援を早々に掲げられないのか? 

ウクライナの難民受け入れを,真っ先に表明することができないのか?

ナゼ,ゼレンスキー大統領の国会での演説要請に,難色を示すようなことが生じるのか?

等々・・・

 

 

けれど・・・,

他の話題はどこに行った?

 

東北中心で起きた大きな地震とその後の影響,

北朝鮮のミサイル発射問題に,

新型コロナ対策の一部施策の終了や,ワクチン接種の遅れ,

政府・与党が検討しているとされる,5千円給付という政策,

各国が利上げに動く中,未だゼロ金利政策の継続で,安全資産としての円の地位の低下,

それでも実感するインフレ圧力に,

各社を襲うサイバー攻撃と,国税のITシステムの脆弱性に代表されるIT課題,

ゼレンスキー大統領のフェイク動画がフェイスブックに掲載され,削除された問題・・・

 

本来であればどれも,しっかりと取り上げるべき話題なのでしょうし,

深掘りして考えたい話題なのではないかと,私は思います

 

その意味で,ウクライナ問題が報道の中心であることについて,

私たちは疑問を感じ,考えても良いように思うわけです

 

それは,ウクライナ問題中心になることがおかしい,ということでは「決してない」

そうではなく,「ナゼ,日本の報道は,ウクライナ問題が中心なのか?」

ということ自体を考えるということ

 

それを考えた結果は,多くの場合,どれも正解なのだと思います

いろいろな見方ができるのでしょうから,否定される話ではない

だから,どんどん考えればいい

 

そうやって,考えるとは何なのか,を知ることによって,

仮説としての正解を,設定できるようになっていく

だから,いくらでも正解があることを考えることは,決してムダではないと思うのです

 

考えることを放棄しないこと

私たちに求められているのは,そういうことなのではないか,と

私は思います

20220305-20220311を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「戦争プロパガンダ10の法則」 アンヌ・モレリ 著

 

 

ロシア軍の侵攻後初となる,ウクライナとロシアの外相同士の会談は,

停戦協議とは程遠いものだったようです

そして,

ロシア国内が置かれている環境を想像すれば,

むしろこの機会は,ロシアの現政権にとって,その主張を大々的に広報する場となった,

ととらえることもできる

 

双方,それぞれに主張はあるのだと思います

ロシアには,ロシアの言い分があるのでしょう

ただ,何が絶対的な価値基準なのか,と言えば,圧倒的に人命だと私は思います

その人命を基準に考えたとき,どうなのか?

 

あえて「戦争」と表現しますが,

戦争当事国の両国が発表する死者数には,

敵・見方,軍人・民間人ともに,大きな差異が生じますから,

その見方には,十分な注意が必要ではあります

が・・・

 

ロシアは自国側の軍人の死傷者数を,1週間ほど前に公表していますが,

さてそれは,ウクライナ側のそれを上回っているのか?

上回っているとしたら,ロシア軍って,ウクライナ軍を圧倒的に上回る戦力だったはずなのに?

ということになるのでは? 

下回っているとしたら,ロシア側の優勢ということになるとは思いますが,

では,そもそもこの戦争は,「いったいどこで起きているの?」を問うことになる

少なくとも,ロシア国内で起きていることでないことは,明らかなわけです

 

いずれにしても,論理的に考えると,

ロシア側の主張には,どうしても大きな矛盾があることが明らかになってしまう

いくら「自国の安全」をうたったところで,「結果,多くの人命を奪ったのは?」

 

得られる情報や,本当に悲惨な映像などを見ても,

ウクライナで起きていることは,ロシア側の非であると,多くの方が考えるのでしょう

ただ,それだけで結論づけてよいものか?

 

私たちの身の回りには,多くの情報があふれているし,大量のフェイクが混じっている

フェイクでなくても,ある方向性を持った情報は,

集めれば集めるほど,偏りが強化される側面がある

 

 

だからこそ,私たちは学ぶ必要があるように思うのです

それは,「自分で考え,判断するとどうなるのか?」ということ

 

何から何まで自分で考え,判断することは,現実的には難しい

日々の習慣になっている行動ですら,本来は判断の結果,だからです

だから,考えることについては,「何を絶対的な価値基準とするのか」が,

非常に重要な指針になるのではないか,と,思いますし,

自分で考える際には,自分自身をも疑う必要があり,

だから,可能な限り適切な事実の把握が必要なのかな,と私は思います

20220226-20220304を振り返る

 

 

久しぶりに,政治家の凄みを感じました

誰に感じたか・・・小野寺元防衛相です

 

WBSだったと思うのですが,いくつかの質問に対し,

「国益を基準に考えるべきだ」

とした上で,たとえば,

欧州へのアクセスの制限に関する

欧州各国やアメリカの負うデメリットと日本のデメリットの違い,

あるいは,パイプライン,ノード・ストリームに関する開発停止を引き合いとした

サハリンにおける資源開発における日本の判断の違いなど

事実をもとに,理路整然と,自身の意見として,

「だから,判断するのは早すぎる,まだ情報収集の段階だ」

と主張されていました

 

原発への行動など,その後のロシアの行動を考えると・・・ではありますし,

よって,この意見への賛否を問うつもりはないのですが,

これほど,そもそもの目的,課題,課題に関する事実,事実をもとにした結論を,

政治家が明確に示しているのを,最近目にしていなかったので,

ものすごく,凄みを感じたわけです

実は,小野寺元防衛相には,以前にも同様の印象を持ったのですが・・・

 

 

私たちは日々,判断し続けています

習慣も判断の1つ

習慣になっていることでも,それを実際にするかどうかは別問題だからです

無意識だろうが何だろうが,判断はしているわけです

 

みんながやっているから自分もやる

というのも判断です

しかしそれは,自分の意思と言えるのか?

 

「自分の意思で判断した」と言うには,

やはり,そもそもの目的が必要でしょうし,

判断が必要な課題に対して,事実を適切に収集する必要がある

 

ただし,この事実というものは,非常にやっかい

特に戦争においては,プロパガンダが横行する

ロシアが情報統制をはかっているのは,このためだ,と言えるでしょう

 

その情報を事実として受け取るのか,受け取らないのか?

 

その1つの方法は,元の情報の発信元を確認することです

その上で,その情報発信元に,どんなモチベーションがあるのかを考え,

仮説をもってその情報に接する

そしてできれば,同じ事実に対する複数の発信を確認する

このような態度が,事実を見極める1つの方法なのだと思います

20220219-20220225を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「永遠平和のために」 カント

 

 

残念ながら,それは現実に起きてしまいました

もちろん「それ」とは,ロシアのウクライナへの軍事侵攻のこと

ただ,この規模の動きともなれば,侵略であり,宣戦布告ナシの戦争

既に,多くの方が亡くなっていることからだけでも明らかなように,

非難することは,簡単にできると思います

 

一方で,さまざまな見方ができるのも事実

たとえば,今回のロシアの大義の1つは,

「ウクライナで自民族の平和が脅かされ,自国自体,西側諸国の拡大で平和が脅かされている」

ということ

実際のところどうなのか,は別問題として,

事実だけを見れば,ウクライナはNATOへの加盟申請をしている

それ以前に,旧ソ連崩壊以降でも14カ国が加盟,現在30カ国になっているわけで,

これを「安全保障上,自国の平和上の脅威」というとらえ方はできるのかもしれない

 

一方で,ウクライナから見たら? 

東部地域で,親ロシア派が実効支配する地域があったように,

それこそが,自国の平和を脅かしている状況であり,

それは,親ロシア派の活動なのですから,ロシアが安全保障上脅威,ということになる

 

他にもさまざまな見方ができるでしょう

実際,欧州内でも「非難」という点では協調していますが,温度差はあるとされていますし

(これも,日ごと,状況が変わっているようですが・・・),

米国と欧州との間でも,その位置づけ,意味するところの差異は大きい

中国は,ロシア支持こそ明確にはしていないものの,非難からはほど遠い反応を示している

日本も「非難」という態度を取っていますが,

それだけでなく,仮に中国が,台湾に同様の動きを取ったら? とか,

北朝鮮が動いたら? といった見方もできる・・・(実際,挑発行為をしているようですが)

 

 

いずれにしても,今回のロシアの動きは,大多数の人は望まない,と思います

ただ,少なくとも言えることがいくつかある

その1つは,いくら「平和」という言葉を使おうと,

現時点では,そのとらえ方が,置かれている状況次第で異なる,ということ

それは,国連や国連安保理を中心とした各国際機関が,

求められていた役割を果たせてこなかった,ということなのかもしれません

 

 

ただ,嘆いていても仕方ない

ロシアの動きによって,チャンスがもたらされている,ととらえられるのかもしれない

ピンチはチャンス

 

だから,しばらくは,この話題を使って,

いくつかのテーマについて,考えてみたいと思っています

せっかくの機会,ですから・・・

20220212-20220218を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」 白川 克 ~最終回~

 

 

スーパー大手のオーケーが,

化学メーカー最大手の花王からの仕入れについて,

145品目もの取扱いを取りやめた,とのこと

オーケーが扱っていた花王商品の,品目数にして3割に当たるわけですから,

これは目を引きます

 

が,いくつかの視点から,冷静に見る必要があるように思います

 

1つは,報道にもあるような,小売りVS.メーカーというような見方

多くの商品を扱う花王との取引の縮小,下世話な言い方をすれば,ケンカを売る行為が,

オーケーにとって,どんな影響を及ぼすのか?

これを,世論を背景にした論理VS.メーカー側の原材料費値上げという論理との対決

という見方は,確かにできるのかもしれません

 

ただ,オーケーからすれば,

顧客や他のメーカーへの強力なメッセージの側面があるととらえられる

メーカー都合の希望は聞くけれど,それをそのままは受け入れないよ,というメッセージは,

個々のメーカーに時間を割いて言うよりも効果があるでしょう

「別にオオカミ少年ではないよ,花王さんの件,知ってるよね?」

そして,顧客に対しても大きなメッセージになる

「高品質・Everyday Low Price」を実践しているのだ,と

 

花王にとってみても,確かに取扱い品目数が減る分,

当該商品の売上減の可能性はあるのかもしれませんが,

あくまで品目数での3割減なので,取引額に対してなのかどうかはわからない

そして,それらが,オーケーという販路を通じて,利益を出せている品目なのかもわからない

別品目の取扱量が増えれば,それは補って余りある可能性もあるし,

もしかしたら,これをきっかけに,当該商品のリストラを検討できる可能性もある

 

担当者レベルで決着した話ではないだろう,と思います

それまでの商品別の売上実績がある以上,営業担当者にとっては,

その分の売上実績をあげようとするモチベーションの方が強いだろうことは,

容易に想像がつくわけで…

 

1つの事実からでも,複数の「仮説」は立てられる

それらの仮説が事実を反映したものだったのかどうか?

将来的には明らかになるのでしょう…

20220205-20220211を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」 白川 克 ~第4回~

 

 

AIを開発するスタートアップが,

4700人のはたらく人を対象とした調査結果をもとに,

社内にDX人財が埋もれている可能性を指摘しています

 

デジタルに関するスキルと素養,イノベーションに関するスキルと素養という

4つの視点から実施したとされるこの調査,

私は,正直「?」です

 

この調査の妥当性と信頼性って,どうなんだろう?

大雑把な評価レポートを実際に見ましたが,

調査項目自体が提示されていない

そもそもの問題として,DX人財をどう定義しているのか,よくわからない・・・

 

 

誤解がないようにお伝えすると,

DXに貢献できるはずの人財は埋もれている,とは思っています

 

ただ,DXとは,デジタルという技術を使った変革・改革です

デジタルは手段に過ぎない

たしかに変革・改革というのは,改善とは違うものだけれど,

それでも,「変えた経験がない」人財が,

デジタルに関するスキルと素養を持っていても,

「それじゃ,組織を動かせないんじゃない?」

 

もしかしたら,それをイノベーションに関するスキルと素養と言っているのかなあ?

だとすると,

実現したい世界観があっても,その実現にはさまざまな障壁が出てくる

障壁を乗り越えるにあたって,課題として分解,抽出し,

それを解決する手段として,データやデジタル技術が使えるのではないか?と考える

そして,デジタル技術を使って,実際に課題を解決する・・・

という力が,DX人財に求められる力

 

そうなると,実際にはそんなスーパーマンは限られるだろう,ということ

だから,DX人財って,

 

 複数の視点での素養を,それぞれ持っている人の集合体

 

なのではないか? と私は思います

それをひとりで体現している人財を探そうとするから,

おかしなことになるんじゃないのかなあ?

20220129-20220204を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」 白川 克 ~第3回~

 

 

冬季五輪が開幕しました

今のアスリートのみなさんを見て思うのは,

本当にしっかりと,自分のことを話せる,ということ

 

「自分のことなんだから,話せるだろ!」と思う方もいるかもしれません

しかし,本当に,自分のことを話せるか? 言葉にできるか?

「あなたの強みは何ですか?」は,就職面談の定番の問いですが,

それだって,ためらわずに言葉にすることは,なかなか勇気が要ります

立て続けに,「本当に?」と問われたら,ドギマギするものではないか?

上には上がいますから・・・

 

それだけに,彼ら,彼女らが表現することに,

日々の積み重ねという裏打ちを感じるわけです

 

昔は,「努力は陰でするのが本物」というような風潮もあり,

その姿を目にする機会はなかなかありませんでした

一方昨今は,メディアの発達のおかげもあって,それを目にする機会が,多少は増えた

これは,本当に恵まれているな,と思います

 

もちろん,スポーツで言えば,科学的なトレーニングが,

その効果を最大化する一助となっているのかもしれない

けれど,絶対総量としての努力,日々の積み重ねというインプットをしない限り,

アウトプットとしての成果は得られない

10%の効率が,50%にアップしたとして,

インプットが100なら,アウトプットは50になりますが,

インプットが0なら0のママだし,1入れたって,0.1が0.5になるだけ

差が広がるだけです

だから,どれだけインプットするのか?

 

努力に対しては,もっとスポットライトを当てた方が良いと私は思います

アスリートたちでなくても,本当に成果を上げている人たちは,何らかの努力をし続けている

ただ,それを努力と思っているかは別問題で,楽しいと思ってやっているだけなのかもしれません

それでも,「寝ても覚めても」の日々は積み重ねている

そんな日々の積み重ねに裏打ちされた言葉を,いわゆる成果を上げた人たちには発してほしい

 

ただ,その人たちにとっては,当たり前の日々,でしょうから,

「その人であること=発信すべき人であること」に,当の本人は気づかないものでしょう

だから,その意味での手始めは,自分の仕事の棚卸しなのかな,と思います

その仕事の,大切なところ,パワーがかかるところは何なのか? を表現すること

それは,自分にとっては当たり前かもしれませんが,

知らない人にとっては,当たり前でも何でもないからです

 

いずれにしても,五輪に出場予定のアスリートのみなさんには,

その日々の積み重ねを表現できる機会であってほしい

その機会が奪われないことを,願うばかり

結果は二の次です

20220122-20220128を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」 白川 克 ~第2回~

 

 

新型コロナのオミクロン型の感染が,爆発的な様相を呈しています

この環境下で,注目されているのがBCP,事業継続計画です

何らかの「事」が生じたときに発動し,

その損害を最小限に抑え,事業を継続させるためのもの,であるこの計画

企業であれば,当然のごとく,策定されていてほしいわけですが・・・

その「事」が生じる可能性は通常低い

すると,仮に策定していたとしても,実際には使い物にならない,

なんてことは,多々あるわけです

 

何らかの事が発生したときを想定するのは,恐らく想像以上に難しい

「BCPを考えよ!」と言われても,「どこから始めるの?」

 

一方で,今回の「くり返される」新型コロナの感染拡大の中で,

どれぐらい,このBCPが意識されたものなのでしょうか?

まったく同じ状況ではない,にしても,学べたことがあったはず,ですし,

であれば,感染が落ち着いているときに打てる手もあったはず

 

 

通常国会の会期中,ですが,

その際の岸田首相の施政方針演説にしても,首相就任に際しての所信表明演説にしても, 

最初のトピックは,新型コロナ,でした

が,

感染が抑制されている期間に,「総括」した上で,対策に反映させたのかな?

何より思うのは,

 「ナゼ,あの場に集まる?」

 「一つひとつの質問ごとに,登壇をくり返す?」

もちろん,そういうルールにしていることは知っているわけですが,

そのルールは,「人が決めたこと」なのであって,絶対の方式ではないわけです

真剣にBCPを考えたとき,

 「本当の有事に,あの形式でやるの? そのルールに縛られるの?」

 

真剣度が問われるのだと思いますし,真剣度を見せられる機会でもあった

具体的な形で見せること,は,「しかけ」としては有効です

でも,ちょっと首をかしげることが多い

国会で言えば,質問のレベルの他,メディア側の選択力にも問題があるとは思うのですが,

起きている事ですらこの状態

ウクライナ情勢,北朝鮮の動き,台湾情勢などなど,

本当に危機意識を持って,真剣に考えてるのかな? と,思ってしまいます

 

正直,目の前にあるリスク,起きる確度も高いリスクなんだけど・・・

20220115-20220121を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」 白川 克 ~第1回~

 

 

みずほFGが,みずほ銀行の相次ぐITシステム障害の発生を受け,

経営陣の刷新と,

ITシステム関連の人員を2割増やすことなどを盛り込んだ改善計画を発表しました

さてこれで,一件落着となるか,と言えば,そうはならないのでしょう

 

「言うべきことを言わない,言われたことしかしない」とは,

業務改善命令を出した金融庁の同社評

酷評と言っても,言い過ぎではないでしょう

ナゼ,これまでの評価をされるほどになったのか?

 

その1つの要因に,ITシステムの銀行業における位置づけを,

十分理解できていなかったのではないか? と思うのですが,どうなんでしょう?

 

現代の金融業におけるITシステムは,その中核の役割を担っている

たとえば,MUFGなどは,CEOになる前に,

CIOとしてITの維持運用の責任を持たせることが慣例となっていて,

「経営トップがITに詳しくなっておくことが,組織にとっての百年の計」

という方針を持ち続けているそうです

 

DXという時代の潮流を見ても,

どの業界であっても,多かれ少なかれ,ITのお世話にならざるを得ない

だとしたら,事業に必要なITについて,

「自分たちの事業価値を生み出すにあたって,どんな役割を果たしているのか?」,

そして,「ITシステムの構築と運用のポイントは何か?」,

「どんなコスト構造になっているのか?」ということなどについては,

熟知しておく必要がある

プログラムを組めるといったことではなくて・・・

 

実際に開発プロジェクトを推進した結果得られる,リアルな知識・スキルを持つこと

これからの社会を生きる上で,必要な力になるのではないか,と思います

20220108-20220114を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~最終回~

 

 

新型コロナの感染者・濃厚接触者に対する隔離期間について,

期間短縮が検討され,実際短縮が決定しましたが・・・

 

この議論の中で気になったのは,岸田首相の発言です

「科学的にどうなのか,(その妥当性)が,ほしい」

 

どうなのでしょう?

そもそも,「感染者は10日間,濃厚接触者は14日間」という設定自体が,

そして,医療従事者は,「検査による陰性確認で,仕事ができる」という対応が,

「科学的」なのか?

たとえば,一般の濃厚接触者(これも科学的?)の方だって,

陰性証明されれば,隔離される必然性はない,ということに,なるのでは?

 

たとえば,濃厚接触者に対する隔離期間についてで言えば,

「濃厚接触者とされた方が,いかに頻繁に,検査を受けられる状態をつくるのか?」

という対応案も,当然あるわけですから,

その案も提示しないまま,部分的に,しかもその根拠を「科学的」に求めるのは,

筋違いなのでは?

 

 

この問題,正直,科学の問題なのではなく,極めて政治の問題だ,と,私は思います

もちろん,政治的な判断に,科学を用いることはできるし,それは大切

ただ,解決すべき課題の選択という政治的な判断に関する根拠,もしくは,その意思は,

別の形で示すべきでしょう

 

医療逼迫という極めて現実的な課題を中心に物事を考えること自体は,理解できることです

しかし,他のエッセンシャルワーカーや,他の事業者とは,何が違うのか? 

ナゼ,その方々は,濃厚接触というだけで隔離するのか?

 

岸田首相が,対話重視,と言うのなら,それこそ対話を通じて得られた情報を基に,

さまざまな課題のうち,何を最も解決したい課題とするのか,

そこで選択した解決すべき課題について,

考えられ得る案と,そのメリット・デメリット,課題となることを示すこと

が,先に必要なのでは?

 

今の状況は,(対話ではなく)一方的にヒアリングし,一方的に通達しているだけ

政治的に判断しているにも関わらず,

科学的という言葉を使って誤魔化しているかのように,

私には感じられるのですが・・・

20220101-20220107を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第6回~

 

 

本年もよろしくお願いします

 

今年も多くの年賀状をいただいたのですが,

中には,「今年をもって,最後」とのご連絡をいただいた方がいらっしゃいます

もっとも,その流れは,今年に始まったものでもない

実際,メール等の形で,ご連絡いただいたものも多くありました

 

一方私は,と言えば,

新年のごあいさつ状のあて名書きは,手書きにこだわってきました

年に一度ぐらいは,お相手のお名前を自筆で書くこと,

そして,プラスひと言を書き添えることで,

感謝の気持ちを認める,ぐらいの気持ちではいたわけです

しかし,「形がどうのこうのの問題ではない」とするなら,

手書きである必要性も,ごあいさつ状の形である必要性も,特段ない

 

それでも,この形に,これまではこだわってきた

そして,自覚するのです

「習慣化されているもの,あるいは,

個人の考えにあたるものを変えるのは,なかなか難しいことだ」と

 

 

自分にとっての「当たり前」を変えるのは難しい

それでも,時代には潮流というものがある

それも見極めつつ,行動や考えを改めることの必要性を感じる

 

まずは,変えるべきではないこと,と,そうでないことを切り分ける

そして,実際に変えるか,変えないか,を検討し,判断する

判断に従って,実際に行動として,それを示す

 

何段階かを経る,そんなトレーニングを,身近なことでやってみる

その難しさをリアルに感じ,また,それを積み上げることが,

これからの時代を生きる上で重要な力になっていくのかな,と思います

20211218-20211224を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第5回~

 

 

新型コロナのオミクロン型の市中感染が確認されました

と言うことは,やがてその波が訪れること,は,容易に予想できるわけです

年末年始にかかる,このタイミング,ですから,

恐らくは,1月下旬には,相当数の感染者及び濃厚接触者が出る,と考えられる

 

感染拡大を「より小さな規模に抑え込む」には,

対策の実行期間を確保するために,市中感染タイミングを遅らせ,

それまでに,考えられ得るなるべく多くの感染予防対策を実行する

実際にその時が来た時の感染者・濃厚接触者対応を,段階ごとに実行する

という,整理してみれば当たり前のことをやるだけ,なわけです

 

これまでの2年間の学びがあり,

実際に対策として実行できること,には,限りがあるわけですから,

「計画できた」はずであることは,準備万端であって良い

 

しかし,どうなんでしょう? 計画と準備,その行動は,できているもの?

漏れ伝わってくる報道を見る限り,

どうも「いまさら感」が拭えない動きが多過ぎるように思うのは,私だけ?

計画のレベルに,問題があるように,私には思えるのですが・・・

 

 

計画を立てるとは,ヒト・モノ・カネ・時間・情報・調達・リスクのマネジメント

想定される事象,事業運営で言えば,ユースケースに対して,

打てる対策を洗い出し,選択の上対応させ,

それを実行できるように整備すること,なわけですし,

言ってしまえば,それだけ,です

が,それがやれないものなのでしょうか?

 

そうだとしたら,それができること,は,強力な武器になる,と思うわけです

みんなに「こうしたい=感染したくない,それで業務過多になりたくない」という,

「共通の目標」があるのに,それができない,ということなら,

それができる力があれば,貴重だ,ということになるわけで・・・

 

だったら,それを学んでおく,身につけておくことが,

将来に渡って,自分が価値を提供し,勝ちにつながることになる,

と,私は思うわけです

20211211-20211217を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第4回~

 

 

森友学園をめぐる公文書の改ざん問題をめぐり,

それを苦に自殺した近畿財務局の職員の妻が,国などを相手どり起こしていた裁判

国が突然,妻側の請求をすべて認める「認諾」という手続きをとりました

これにより,誰が改ざんを指示したのか,といったことが明らかにならないまま,

裁判が終わってしまいました

国は,事実を明らかにすることはなかった

事実を,当事者である原告だけでなく,国民も知ることができなくなったわけです

 

「政治離れ」と言われて久しいわけですが,

こういうことに原因があるのではないか,と,私は思うわけです

多くの人が,政治というものに,完全にしらけている

何を言っても変わらない,変わるわけがない,という,

無力感に苛まれている,とでも言いますか・・・

 

それでも,このことから学べることはある,と,私は思います

それは,「どんなことに取り組むにしても,しらけさせたら終わりなのではないか」ということ

共に何かを成し遂げようとするとき,

それが,例えば部活でも,企業活動でも,

そこに参加する人たちを,しらけさせないのがリーダーであり,

しらけさせたら,それはリーダーの役割を果たしていないということではないか?

 

しらけさせること,の,大きな罪は,

忘れさせてしまう,ということでもあるように思います

「日本人は,過去にあったこと,起こしたことを,すぐに忘れてしまう・・・」

と,どなたかが発言されていたように思うのですが,

それを国民性ととらえてよいものなのかどうか・・・?

 

忘れさせてしまうことに,問題があるのではないか? とも思いますし,

むしろ忘れさせることを,都合よく扱っている人々がいるのではないか? とも思います

忘れないためには,くり返すこと,

特に,くり返しアウトプットすること,なのですが・・・

20211204-20211210を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第3回~

 

 

臨時国会が始まりました

実は私,岸田首相の所信表明演説に注目していました

目指す姿として,岸田氏が示してきた,資本主義の新しい形とは,

一体どういうものなのか? と

 

こういうものの示し方には,さまざまな方法があると思うのですが,

大きくは,演繹的な示し方,と,帰納的な示し方があるのだと思います

前者は,「新しい形とは,こういうもの」だから,

具体的にはこういうことをやる,というように示す方法

後者は,具体的な施策をたくさん並べて,「こういうことが新しい形なのだ」と示す方法

 

岸田氏が言っていることから考えると,

後者のやり方しかないだろうな,と思っていたのですが,

その予想は大当たり

ただ・・・

残念ながら,何が新しいのか,は,さっぱりわからなかったし,

どんな姿を目指そうとしているのか,についても,おぼろげにも見えてこなかった

正直,賛否の意思を示しようがない,といったところです

 

 

日経新聞が,ここのところパーパス経営を取り上げています

パーパス経営は,自社の存在意義を明確にし,社会に与える価値を示した上で,

それを基に,意思決定,判断をしていく,という経営手法です

「国家だって,同じように考えられるのでは?」と思うのですが,

どうなんでしょう?

 

日本って,どこを目指すんだろう?

 

たとえば,国家間の対立が先鋭化しがちで,

富裕層と貧困層との格差が拡大傾向にある社会で,

またそのような対立や分断は,残念ながらゼロにはできない,とするなら,

その間に立てる,その間を取り持てるような存在になる

ということだって,ものすごく重要な役割だろうし,国家観のようにも思います

日和見主義,との批判は受けるかもしれませんが,

それでも,それは「基準を設けて実行していくのだ」なんてことを示し,

その基準を,いくつかでも,自分の政権で作っていく,と宣言してくれたら・・・?

 

あくまで上記は例ですが,

そういうことが求められているのではないのかな? と思うのですが・・・

リーダーなんだから。。。

20211127-20211203を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第2回~

 

 

新型コロナの新たな変異型の発生で,

政府は水際対策の強化を決めました

これにはもちろん,賛否両論あります

どうなんでしょう? 本当に海外からの新規の留学生や実習生を止めて良いのか?

 

中国のテニスプレイヤーが性的被害にあったと告白し,

その後の消息が明らかになっていないことについて,

女子テニス協会(WTA)は,同国内でのツアーをすべて中止した一方で,

IOCは,2度,遠隔会議形式で,彼女の安全を確認しているとして,

そのような判断はしていない状況

中国政府は,「スポーツを政治利用すべきでない」との発言もしていますが,

どうなんでしょう? WTAとIOC,どちらの態度を取るべきなのか?

 

いずれにしても,どちらかを選択すれば,どちらかを手放すしかない

 

このようなことは,多くの場面で起こること

と言うよりはむしろ,世の中はそのようなことばかり,だと思います

唯一の正解があるなんてことの方が少ないわけです

ということは,正解は,自分たちで見つけるしかない

 

ではどうするか?

 

何らかの基準を作ることでしか,それはできないのだと思います

そして,その一つの方法は

「なりたい姿,ありたい姿」を基準にするという方法なのだ,と思います

 

ただ,「なりたい姿,ありたい姿」が,私の利益の「TOTALでの」最大化では,

課題の多くは解決できないのだと思います

それは,課題の多くは,他者との関係の中で生じるものだから

20211120-20211126を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」 入山 章栄 ~第1回~

 

 

みなさんは,ゲーミフィケーション,という言葉をご存知でしょうか?

さまざまな定義がされているようですが,日本ゲーミフィケーション協会の定義によれば,

「楽しくてハマってしまうゲーム要素を活用して,能動的に人を行動させる仕組み」のこと,

2008年にコンピュータ・ソフトウェアの文脈で初めてオンラインで登場,

2010年に,ゲームの社会的・報酬的側面をソフトウェアに取り入れることを指す意味で,

広く普及したのだそうです

 

10年以上を経ている,ということで,

その言葉を知っている方は,それなりにいらっしゃるのだろう,と思います

が,言葉の意味を知っていたからといって,それを使えるかどうか,は,別問題なのも事実でしょう

一方で,今週の振り返りの問題でも取り上げている事例を見ると,

「そのしくみのポイント,活かし方のポイント」が見えてくるように思います

 

私たちが勉強する意味って,そういうことなんだろう,と思うわけです

世の中良くしたい,とか,自分がリッチになりたい,とか,自分の夢を叶えたい,とか,

それ以前に,自分の夢や目標を持ちたい,それがわからないから・・・とか,

いろいろと欲にあたるものはあるのだろうけれど,

いずれにしても,それを実現するには,課題があると考えられる

その時,自分一人で解決するには,あまりに人生は短いし,複雑化しすぎている

 

その時,恐らくは,たくさんの原理や原則,法則にあたるものが利用できるのだろうけれど,

それらの原理・原則,法則のような,抽象度が高いママ学ぶより,

事例の方がわかりやすい部分がある

その事例から,再度,抽象度をあげて理解すると,応用が利く

「ああ,それって,こういうことだ」とわかるから,

それを自分の解決したい課題に当てはめて,もう一度考えてみることができる・・・

 

「知の巨人の肩の上」に乗ってラクをする,には,

「何だかよくはわからないけれど,こういうものがある」という,存在を知っていた方が,

それらが持つ本当のパワーに近づきやすいのでしょうし,また,

それが大まかにどういうことなのか,事例レベルで知っていた方が,

結果,目の前にある課題の解決もラクなのだろう,と思うわけです

 

そうか,勉強って,ラクをするためにするのか

と,この今週のふり返りのオチを考えていたときに,思ったのでした

20211113-20211119を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「共産党宣言」 マルクス/エンゲルス ~最終回~

 

 

衆院選に初当選した,維新の会,小野議員の「素朴な問題提起」が,波紋を広げています

第2の給与とも言われる,この国会議員に毎月支払われる「文書通信交通滞在費」,

その額,月額100万円で,衆参合わせて700人以上,ですから,85億円です

そしてこれ,全額「経費扱い」ですから無課税

何に使ったか,の,申告も不要です(維新の会は,使途をWEB上で公開してます)

 

この問題,2008年に,当時の衆院議員,鈴木宗男氏が,国会で質問をしているのですが,

要は,現行制度になってからですら,10年以上も放置されてきた問題なわけです

蓮舫氏の「2番じゃダメなんですか?」発言で有名にもなった,

民主党政権時代の「埋蔵金」の話も,ここには突っ込まなかったようですね(苦笑)

 

この問題に対して,「小野議員,よくやった」とか,「国会議員,酷い」とか,

「これでようやくメスが入るかも」とか,「議員活動には,やっぱりカネがかかる」とか,

「これだけは,政党を越えて,みんな賛成だった」とか,「これまでの新人・再選議員は?」とか,

いろいろな声が出ています

 

私も実は,この問題には,いろいろな意味で注目しています

1つは,個の発信の制御というものの難しさ,です

今回は,国民目線で言えば,良い効果を生んだのだ,と思いますが,

当然,そうではないもの,もあるわけです

経営をする人間としては,本気でリスクとして,見込んでおく必要がある

 

もう1つ,私が注目したいのは,「今後,小野議員は,どうなるか」です

元熊本県副知事だった小野議員だったからこそ,

「地方議員との比較」でも,おかしいと考えられたのかもしれない,と思うのですが,

こういうことを「しでかした」小野議員が,今後,国政で台頭できるか?

 

まず,維新の会の,本当の実力が問われるように思います

小野議員が実力を発揮できるような行動が,維新の会としてできるか?

もし,それができたなら,この話題は,日本の政治の転換点にできる可能性すらあると思います

 

一方で,これを,小野議員個人や,維新の会だけに求めるのは,酷だと思います

このような「動き」を,議員の方々が,1つでも2つでも起こせるか?

これって,新人議員であったとしても,いやむしろ,

新人議員だからこそできることではないか,と思うのです

新人議員ならではの武器

それは,かつての,しかも,近い過去の自分の経験との,

「比較」という根拠から生まれる,素朴な疑問

そしてそれは,「自分でも変えられる」というリアリティを伴う経験へと,変えていける可能性がある

 

もしこの動きを,寄ってたかってぶっ潰すような動きになるとしたら,日本の政治は変わらない

そうならないための役割が,ジャーナリズム,を喧伝するマスメディアにはある

そしてそれは,国民一人ひとりにもある

だって,SNSがこの動きに火をつけたんだから

20211106-20211112を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「共産党宣言」 マルクス/エンゲルス ~第1回~

 

 

第2次岸田内閣が発足しました

と言っても,衆院選の結果もあり,変わったのは外相のみ

前任の茂木氏が,党幹事長に就任した結果の「玉突き」という側面があります

 

とは言え,外相は,「相当な能力」が必要され(そりゃ,そうですね・・・)

そして,第1次岸田内閣では,総理大臣臨時代理の順位で内閣官房長官に次ぐ席とのこと

その席に就任したのが,林氏だ,ということになります

 

林氏,今は衆院議員ですが,

元が参院議員でなければ,と言われるほど,その能力は高いそうです

大臣歴も多く,「困ったときの林氏」との声もある

 

さて,そんな林氏に対する「世間の評」の1つが親中派です

もちろん,この度辞任した日中友好議員連盟の会長だった事実はあるわけですが,

それをもって,「親」中派,と評することができるのか?

そもそも親中派って,何なんでしょう?

 

米国の要人について,「知日派」という表現がありますが,

これをもじって,林氏自身は会見で

「知中派であっていい,媚中派であってはならない」と発言されたそうです

これには,私自身は大いに納得ができる部分がある

競争は,「自らを知り,競争相手を知ることから始まる」と言われるとおりです

 

日本には,安全保障という側面で,米国に依存している現実があります

また,日本は,「米国と,同じ価値観を共有している」と言っている(ホント?)けれど,

米国がやることが,全部が全部正しいなんてことは,過去を振り返っても100%あり得ない

 

そんな米国は,中国との間で対立している

確かに中国は,共産党主導の色が,益々色濃くなりそうではある

一方で,米国と中国とを比較したとき,その市場の大きさは3~4倍の差があるし,

中国が隣国であるのも間違いのない事実ですし,訪日外国人で最も多いのは中国人です

 

キレイごとを言ってしまえば,

本来的には,「是々非々」なんだと思うわけです

協力すべきは協力し,反対すべきは反対する

そんな行動と態度を,林氏には取ってもらえばよいわけです

知中であることを武器に,適切なメッセージを送る

 

もちろん,そのためには,考える必要があるでしょうし,

「目指しているのは何なのか?」,

日本という国として,その意志を明確にする必要もあるでしょう

ただこれは,林氏だけに負ってもらうような問題ではない

 

翻って,私たち一人ひとりも同じだよな,と思うわけです

「自分が目指しているのって,何なんだろ? そのために,どうすれば良いんだろ?」と,

まずは考えること

誰かに追随するのはラクかもしれないけれど,その誰かが100%間違わないなんてことはない

そもそも別人格ですし・・・

だから,仮に同じ価値観を共有している人がいたとしても,自分自身で考える必要がある

そして,自分自身で考えたことをより良くするために,同じ価値観を共有している人と議論する

そういう活動が必要なんだろうな,と思います

20211030-202110105を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~最終回~

 

 

この1週間のふり返りにあたっては,

衆院選に触れないわけにはいかないかな,と思います

 

自民党が261議席と,選挙前の276議席からは減らしたものの,

国会を単独で,安定的に運営するための「絶対安定多数」を確保

第2政党の立憲民主は,109議席から96議席に,議席減

維新の会が30議席増,という結果だったわけです

 

開票前時点の報道各社の予測は,

「自民の単独過半数は微妙」(FNN,読売),「与党で過半数」(毎日),

「自公で絶対安定多数視野」(共同),「自民で単独過半数」(朝日),

といったもの

それよりも面白い(?)のは,出口調査結果を踏まえた選挙日当日20時時点の各社予測

NHKを除くと,自民が230~243の間,立憲民主が110~130の間の,

それぞれいずれかの数をピンポイントで提示していたのですが・・・

(NHKは,そもそも自民212~253,立憲民主が99~141という幅をもった予測です)

 

この結果を見ると,さまざまな疑問を持たれるのではないか,と思うのです

たとえば,「なんでこんなに外れるの?」,「NHKはなんで幅で予測してるの?」

といったように,結果を単純に見ることから生じる疑問の他,

「いったいこれ,どのようにして予測したの?」,「いったいいくら,お金がかかってるの?」

といった疑問を持たれるかもしれません

他にも,こんな疑問を持たれることもあるのではないか,と思います

「この予測をすることで,いったい何をしたかったのだろう?」,

「誰のための報道だったのだろう?」,

「これだけ予測を外したことに対して,何らか責任って生じるのだろうか?」

 

 

この1週間で触れなければならない,もう1つ大きな話題はCOP26だと思います

和訳すると,第26回気候変動枠組条約締約国会議

その内容は,今週のふり返りの問題の中でざっくり確認できるのですが,

日本という国は,この世界的な取り組みについて,

「現実的な案を提示した」という見方はあるものの,明らかに後塵を拝している状況

SDGsの17の国際的な目標という視点で見たとき,

日本の達成度は平均で18位(2021年)ですが,

深刻な課題がある「レッド(赤色)」と評価されているゴールが5つあります

5.ジェンダー平等問題,13.気候変動,14.海の生物の多様性,15.陸の生物の多様性,

そして17.パートナーシップです

 

国際的な評価に問題があるから問題,というわけではないのですが,

国際公約に対して遅れている,取り組みに課題がある,ということであれば,

「約束を守る」という視点では,明らかに問題

こんな話が,どれだけ衆院選の争点になっていたでしょうか?

 

選挙結果を予測することは難しい

そして,それが当たったからと言ったって,外れたからと言ったって,

有権者が関与できる話でもない

 

それよりももっと大切な議論がある

各党が,気候変動を含めた国際的な課題と,

国内の課題に,「どう取り組んでいこうとしているのか」

各党の取り組みの方向性を,比較一覧などの形で示すことは,

報道機関だからできることなのでは? と

私は思うのですが・・・国内問題は恣意性が働きやすいですが,

SDGsはそんな恣意性は働かせようもない

 

もちろん,選挙をエンターテインメント・ショーととらえるのなら,話は別でしょうが

だったらもっと,エンターテインメントしないと,ですかねえ

 

20211023-20211029を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~第5回~

 

 

最近,改めて,「戦略ってなんだろう?」と考えます

と言いますか,「どんな表現の仕方をすると,わかりやすいのか?」ということ

たとえば,課題を解決していく手順,と表現するなら,

「ストーリーとしての競争戦略」という本のタイトルは素晴らしく思えます

 

衆院選が31日,行われているわけですが,

成長なくして分配なし,にしても,分配してから成長を目指す,にしても,

はたまた,改革なくして成長・分配なし,でも,何でもいいのですが,

そこで,「発生している課題の要因としているのは,何なんだろう?」と思うわけです

 

発生している課題,つまり,目に見える症状は,

「何らかの要因・原因があって生じている」

と考えるのが,一般的なとらえ方だと思います

それは何だと考えているのか?

課題の深掘りが甘いと,その筋道が見えてこない

 

これは病気の治療を例に考えるとわかりやすいのかもしれません

咳が出ていて,熱もある

これを抑えるのは,対症療法

けれど,それには原因があるはず

単なる風邪か,新型コロナか,その他の感染症か,はたまたガンの他,違う病気か?

 

風邪なら,その人の自然治癒力が高ければ,それはすぐに解消されるわけですが,

そもそもは,自然治癒力を高めれば,風邪にかかりにくくなる

だったら,身体を鍛えるような何かをするのが本来的な目標になる

ただ,それを続けるのは大変だから,それが続くようなしかけをつくる

 

日本がかかっている病気って,何なんでしょう?

仮説でもいいから切り込めば,より具体的な施策案を示すことができる

 

このように考えると,戦略づくりって,

「要因分析に始まる課題究明と納得感の高い解決シナリオ案づくり」

と言えるのでしょう

そして,それって,自分たちの「どうしたい」から

始まるのだろう,と思います

20211016-20211022を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~第4回~

 

 

「日本には,その昔,四季というものがあってね・・・」

ということが,「言われるようになるのではないか?」

と,知人と話していたことがあるのですが,

何だかそれを地で行くような気候の激しさです

みなさんは,体調崩されていないでしょうか?

 

自然が,人が出歩くことに,抑制をかけている

というような気持ちにさせられます

ただ・・・

 

恐らく10年後には,もっと激しい気候状況になるんじゃないか?

動き出しは遅いけれど,それでもやれることはやろう

これが結局のところ,SDGsなのではないか,と思います

 

世界レベルでの人口増もわかっていたし,環境問題もわかっていた

水,食糧,エネルギー等々の資源問題もわかっていたし,

貧富の差も含め,機会という点でも平等でないこともわかっていた

 

「で,どうするか?」

に答えを出すしかない

 

この問題で,単なる野党根性でいるわけにもいかないのではないか?

将来のことはわからないけれど,「どういう社会であってほしい」という思いを持ちたい

 

まず,そこからなのかなあ・・・

せっかく選挙戦をやってくれているわけですから,

政治家の意見を参考に,自分なりに考えてみることが必要なんじゃないか

と思っています

20211009-20211015を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~第3回~

 

 

衆議院が解散し,31日が総選挙となります

この総選挙,どうとらえるのが良さそうなのか?

 

新型コロナは,下火の今だからこそ,やるべきことはあるにせよ,

概ね,大きく方針を変える必要性は薄いように感じます

経済刺激策を走らせ,新型コロナ前の水準に導くことになるわけですから

 

そう考えると,将来に向けて考える必要性の方が高いように感じます

前提は,「人口減」でしょう

人口は,未来予測において,極めて確度の高いものだからです

 

日本の総人口は,2050年には,1億人を割り込む,と予測されています

これは,「生産=分配=支出」という三面等価の原則から考えると,

これまでの税収が期待できるはずがない,ということですから,

税収が期待できないことが前提だとしたら,「それに見合った公共サービス」にするか,

今の公共サービスを前提にするなら,「経済的な成長」をするしかない,わけです

 

仮に,今の公共サービスを前提にするなら,では,どこで成長するの?

 

1つ示されているのは,デジタル,クリーンエネルギー,ですが,

そのアプローチにおいては,「自分たちが持っている武器」を使うことになる

だから,「日本の武器って,何ですか?」ということは,真面目に考えたいわけですし,

その武器を「どう使うのか?」も,考える必要がある

 

それ以前に,そもそもその武器は,これまで,どんな価値を生み出してきたのだろうか?

たとえば,日米安保や原発を,武器だと仮定したとき,

その武器は,これまでに,何らかの価値を生み出してきているのですから,

その価値は,高かったのか,低かったのか?

その価値を,仮に高められるとした場合,将来のリスク・課題は何になるのか?

といったことを考える必要がある

 

否定するにしても,肯定するにしても,

まずは,現実を評価することから始まるのでは?

これ,与野党には,ちゃんと示してほしいんですが・・・(苦笑)

 

このような国の話は,どうしても遠いものだと思えますが,「考える素材」にはできる

もっと言えば,国が何を武器にしようとしているか,がわかれば,

その武器自体,あるいは,その武器の周辺にあるものに,成長の可能性が見出せる

だとすれば,何を「学ぶ」と,自分にとってトクなのか,考えることもできる

 

「考えるための材料」を,与野党には提示してほしいな,と思います

それが,国民に対する信頼や尊重の表現方法の1つなのではないか,と私は思います

20211002-20211008を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~第2回~

 

 

岸田内閣が発足し,10月31日の衆院選実施を表明したとのこと

戦後初めて衆院議員の任期満了日以降の投開票となることや,

秋篠宮家の慶事の発表タイミングなども考慮,

新型コロナも落ち着いているタイミング,自分たちの信任を早期に問う,など,

野党の非難に一定の回答を用意し,かつ,

共産党・立憲民主党の選挙協力の準備などにも対応している

党幹部,閣僚人事も含め,大変失礼ながら想像以上にそつがない,と感じます

内閣支持率は,歴代内閣と比較して低調とのことですが

 

ただ,内閣支持率の話題を見るたびに思うことがあります

1つは,「そもそも支持するって,どういうこと?」

どうなんでしょう? 仮に,回答した方の理解も曖昧なのだとしたら,

むしろ,「不支持率」の方が,本来的な意味が読み取れるように思います

別に,新内閣がどうなりそうか,の問題なのではなく,

自分や自分の仕事への影響という点で,日本という国の民が,どういう考えにあるのか?

 

もう1つは,

「誤差があるものに対し,細かな序列について言及したりする報道はフェアじゃない」

数字自体に誤差が含まれているし,

「どちらでもない」といった「中間的な回答」の有無などを含め,

そのデータ処理についてもメディアごとに独自です

どのようにデータを扱っているのか,しっかりと言及していないメディアすらもある

 

メディアというものは,その性質上,世論を誘導する部分があります

まして,同調圧力が極めて強く,一方で,「何でも反対」という極端な反応が生じている世の中で,

メディアは,フェアである,か,もしくは,自身の立ち位置を明示することが,本来は必要なのでは?

でも,現実問題として,そんなこと,できるわけがありません

メディアというものは,その性質上,広告で成り立っているから

 

だとすると,自分たちの目を養うしかない,自分で考えるしかない

 

そのためには,少なくとも統計を読めるようになること,

統計にダマされないようになることは必要だと思います

と言うよりはむしろ,

統計を含む情報を適切に読み解き,自分の理解を深めること,安易に引き受けないこと

なぜなら,メディアとは,そういう性質のものだから

20210925-20211001を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「TRICK」 エスター・ウォジスキー ~第1回~

 

 

世の中は,1つ,違うフェーズに突入したのかもしれません

それは,この1年半の新型コロナのまん延に伴う行動制限の世界から,

必要な行動をとる世界へと移行した,と表現できるのかもしれません

 

もちろん,いわゆる「第6波」は,やってくると思いますし,

何か新たな問題が生じもするのだと思います

もしかしたら,新たな感染症が発生するかもしれない

それでも,これまでのような形の,制限,制限の世界では,ないと思います

 

そんな世界を,誰も経験したことはない

 

そして,人によって,状況が異なる

ワクチンを打っている人もいれば,そうではない人もいる

打ったタイミングによって,効果が継続する期間,そうでない期間も出てくるのでしょう

そもそも効果自体,人による差異があるのだと思います

 

一律の方針に沿っていれば,それで問題がない,とは,

恐らく言うことができない

人によって状況が違うのだから,その人にとっての最適,よりベターを選択する必要がある

 

もちろんその選択が,周りに合わせるという方法なのかもしれませんし,

「これまでは」,もしかしたら多くのケースで,それが最適,ベターだったのかもしれない

でも,今後はそうではないのではないか,と,私は思います

 

 

政治なんて関係ない

と思う人も多いのではないか,と思いますし,

私自身,公に向けて「こうすべき」というような発信ができるほどのものは

持ち合わせていないのですが,

それでも,衆院選はあるわけで,選択が求められる

「周りに合わせて」も,1つの選択ですが,

自分の選択の訓練をする機会にしてみることもできる

 

たとえば,自民党は新総裁含め,その体制が決まりました

立憲民主党は,共産党,社民党,れいわ新選組と,協力するそうですが,

協力の条件となっているのは,市民団体が提言した

「安保法制廃止,辺野古の米軍基地建設中止,脱原発」などの共通政策とのこと

 

どれがいいとか悪いとか言っているのではなく,

数十年後を考えたとき,何が実現しているといいのか,考えてみる,そして,選択してみる

 

そこで感じることのリアルが,自分たちの血となり肉となっていくのではないか,と思うのです

20210918-20210924を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「戦略がすべて」 瀧本 哲史 ~最終回~

 

 

新型コロナ禍で,市場として拡大しているように感じるのが,

社会人の学び市場です

私自身,Udemyという,映像講義プラットフォームで講座を提供していますが,

おかげさまで,受講いただいている方が2千を超えたことからも,

市場の拡大をリアルに感じている部分があります

 

今週も,社会人の学びに関する話題がいくつかありました

しかし,その表現方法が,少し変わってきているようにも感じています

これまでは,「リカレント」という言葉が使われてきたと思うのですが,

使われるようになりつつある言葉,は,それではありません

 

その言葉は,今週のふり返りで出題してもいるのですが,

深読みすると,「今,持っている知識・スキル以外が,今後必要になるよ」

というメッセージが含まれている言葉であるように感じます

自動車を例にすれば,機械工学から電子工学へ,

主として求められる知識・スキルが転換していく部分がある,といったことを,

反映しているような言葉・・・

 

このような状況を考えると,

何を学ぶのか,ということについては,

ある種の戦略性が求められるととらえられそうです

 

もっとも,私自身は,

「求められる汎用的な知識・スキルについては,変わらない」と,とらえています

ここで言う「汎用的な知識・スキル」は,コミュニケーション力とか,論理的思考力といった,

なんとも言い難い,ふわっと感があるものではなく(それも必要だとは思いますが),

もっと,直接的に役立つ知識・スキルで,自ら学んで習得できる知識・スキルのことを言っています

 

それは,統計を活用する力や,PJマネジメントの力,

あるいは,ビジネスプロセスフローを描ける力や,マニュアルを作る力,といった,

もう少し,実際のビジネス現場で,「直接的に使う力」です

 

こういうことを言うと,

コミュニケーション力とか,論理的思考力といったものだって,

直接的に使う力だろ,という声も聞こえてきそうです

まあ,定義できない自分も悪いんですけれど・・・

20210911-20210917を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「戦略がすべて」 瀧本 哲史 ~第3回~

 

 

新型コロナのワクチン接種率が高まったことが要因なのか,

あるいは,8月中旬の新規感染確認者数が急激に増え,

それを知った人々の行動が抑制されたことが要因なのか,

はたまた他の要因からなのか,は,わかりませんが,

このところ,新型コロナの新規感染確認者数は減少の一途をたどっています

(まあ,複数の要因から減少しているのでしょうけれど)

 

このような傾向が見られると,安心感が芽生えるのが,人間というもの

しかし,よくよく見てみると,過去の緊急事態宣言時よりも,

新規感染確認者数はまだまだ多いんですよね・・・油断してはならない・・・

 

「この後,何が起きるだろうか」と考えると,

「全解禁」のような動きが起きるのだろうと,思うわけです

みんながみんな,ずっと我慢してきているから

 

ただこれは,間違いなくチャンスでもあると思います

そして,この後も,複数回のチャンスがやってくる,と思います

直線的に,環境が良くなっていくわけでもないと考えられるから

 

そう考えると,今からでも遅くない

これから起きそうなことを考え,準備しておくと,

大きな飛躍のチャンスにできる可能性がある

今こそ,頭を使うタイミング,議論のタイミングということなのかもしれませんし,

何らかのアウトプットをするタイミングなのかもしれません

20210904-20210910を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「戦略がすべて」 瀧本 哲史 ~第2回~

 

 

自民党総裁選に,少なくとも,岸田氏,高市氏,河野氏の3氏が出馬することになりました

自民党総裁選は,現状,総理大臣選

日本のリーダーを決める

それでも,私がデイリーのピックアップ記事で取り上げないのは,

ここに,一般国民は関与できないから,です

 

ただ,自民党総裁選というものは,「戦略的な動きをする」ということについて,

勉強の素材にはなると思います

たとえば菅首相の退陣表明も含め,

「どのタイミングで出馬表明するか」といったことなど,

恐らく戦略的に考えられた上での行動だと思われるからです

(本当は,結果論かもしれませんけど・・・苦)

 

自民党議員の方々が,誰に投票するのか,ということも

戦略を行使するということを考える素材にできると思います

当落上にあるような議員さんが,どのような投票行動をするのか?

 

記名投票だったら,よりわかりやすい勉強の素材になるんだけどなあ・・・と思います

 

何やってるのかわからない議員さんと,地道にしっかりと仕事をしてきている議員さんと,

投票行動に差異が生じる可能性もあります

勝ち馬に乗るしかない議員さんと,

そうでない議員さんの区別がつきそうですから,

衆院選で誰に投票するのかの,検討材料にもできる

 

本来なら,そんな素材の提供も,政治家の役割じゃないのかな?

今後の日本に必要とされるのは,考えることができる人,なのですから

20210828-20210903を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「戦略がすべて」 瀧本 哲史 ~第1回~

 

 

20年に及ぶ米軍の中東の国への駐留が終わりました

ただ,多くの米国人,日本人含む外国人の他,

これまで各国に協力してきた人々が,この国に残されている状況

もし放置したら,今後どのような影響が出るだろうか? と考えれば,

放置することはできません

 

撤収に死者が出たこともあり,米政権を非難する声も大きくなっていますが,

きっかけは,同時テロであり,始めたのは共和党ブッシュ政権であること,

あるいはこの間,オバマ氏,トランプ氏と,現バイデン氏も含め,

4人の大統領が政権を担ってきたという事実も

忘れてはならないでしょう

日本の首相は,何人でしたっけ?

 

いずれにしても戦争は,始めるよりも終わらせる方が難しい

しかし,これは戦争に限った話ではないとも思います

事業でも,賭け事でも

 

撤退要件を事前に決めるのは,ひとつの対策です

投資額の上限を決めるのもまた,ひとつの対策

マイルストンと,その状態目標を定めるのもまた,ひとつの対策でしょう

 

そう考えると,戦略性というもののポイントが見えてくるように思います

その1つは,「うまくいくケースばかりを考えていてはダメ」

だから,成功の確度が高い選択をすることになるわけですし,

成功の確度の高い事例から学ぶ必要があるのだと思います

20210821-20210827を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「「具体⇄抽象」トレーニング」 細谷 功 ~最終回~

 

 

パラリンピックが開幕しました

パラリンピックについて,JPC委員長の河合氏は,「人間の可能性の祭典」と表現されています

この表現に「なるほど」と思いつつ,

むしろ私は,「工夫の祭典」あるいは「知恵の祭典」と言った方がよいのかもしれない,とも思います

 

競技である以上,「勝ちたい」という思いが競技者にあるのは,パラスポーツでも同様です

必然,相手の弱点を攻めることになる

障害があるが故の弱点の攻め合いという側面がある,ということです

実際に観戦するとわかるのですが,その攻め方は,かなりえげつない

けれど,「それをわかった上でどうするか?」という点で,

知恵を使い,また,道具に工夫を凝らし,トレーニングも積むわけです

 

 

一方で,スポンサー企業や支援企業などにとっては,

その技術の高さを証明する場にしている側面もあります

インクルーシブ,あるいは,共生という考え方の中で,

それは理にかなっていることだし,企業の果たす役割として,あるべき姿とも言える

 

ただ,恐らくパラスポーツは,これから先,どんどん商業主義化していくと思います

そして,誰にとっても楽しめる,真剣に取り組めるのがスポーツだという理念を他所に,

パラスポーツに取り組むこと自体のハードルが高まるリスクが,

障害者の方々にとって生じる可能性がある

 

そうとらえると,パラスポーツが活況化することは,

もちろんプラスの側面もあるのだろうけれど,

マイナスの側面もあるととらえるべきなのかもしれない

そもそもスポーツというものの性質上,勝者を生めば,敗者が生まれるのが現実です

だからこそ,「そもそもの目的」を忘れないことが本当に重要になる

 

翻って,パラスポーツに限らず,世の中ってどうなんだろう?

どんなに良いことのように思われることでも,マイナスの側面もあるのでは?

どんなに悪いことのように思われることでも,プラスの側面はあるのでは?

 

パラスポーツから学べることはたくさんあると思います

20210814-20210820を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「「具体⇄抽象」トレーニング」 細谷 功 ~第2回~

 

 

外食大手のワタミが,新型コロナワクチンの原則接種を,従業員に求めるとのこと

これができるのは,「その理由を言える関係」を,

ワタミという企業が,従業員と築いてきたからなのではないか,と思います

 

業界の特徴,会社と従業員の関係などを,

一人ひとりが理解できるように取り組んできたからではないか?

また,職場接種を推進したり,時短営業にも貢献したり,といったことを,

企業の行動として見せてきているからではないか?

その中で,新型コロナワクチンを接種するということが,

会社に,そして,自分にどんな影響を与えることなのか,

自分事としてとらえられるよう,具体的な活動・行動として示しているからではないか?

そして,そういう関係を築いてきたという自信を,

ワタミという会社は持っているのではないか? と思います

ワクチン接種の代替えとして,毎週のPCR検査という選択肢も用意しているなど,

労働関連法を乗り越える用意が,従業員との間ではできているように感じます

(労基署がどう判断するのかはわかりませんが,

 これにツッコミを入れるとしたら,とんだお門違いだと思います)

 

もちろん,他にもそんな組織・企業はたくさんあるのでしょうし,

私企業だからできること,ではあるのかもしれません

その企業で働くということには,条件があるわけですし,

法律を逸脱しない範囲で,その条件を踏まえた契約関係が結ばれているわけです

従業員にしてみたら,嫌なら辞める,という選択肢もあります

 

しかし,たとえそうではあったとしても,

ワタミという企業が地道にやってきたであろうことには,

戦略というものと,それを実現する具体的な活動・行動という関係,

もっと言えば,抽象的なものと具体的なものとの関係を,

理解する上で,あるいは,理解できるようにする上で,

参考にできることがたくさんあるのではないか,と思います

20210731-20210806を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 「「具体⇄抽象」トレーニング」 細谷 功 ~第1回~

 

 

「新型コロナのワクチンは,3回接種がベター」との発信が,

提供する製薬会社から発信されています

ここで問題になるのは,

1回もワクチン接種できていない対象に,接種を進めるべきか,

2回接種した対象に,3回目の接種を進めるべきか

というものです

 

このことは,既に国際的に問題になっていますが,

いずれ国内でも問題になるはずです

 

これまでの日本の国会等で見られるような議論の進め方からすると,

「人命優先なのか,経済優先なのか」,「自国優先なのか,国際協調優先なのか」,

といったように語られることになるのでしょうが,それでは刷り合わせようがないと思います

だって,どちらも譲らないですよね?

それぞれが優先したいことが異なるのですから,比較のしようがありません

 

だったら,双方が優先したいこと,を共通の要素に置いて,

その要素ごとに,メリット・デメリットや,その効果見積を比較をすればよいのでは? 

と思うわけです

つまり,それぞれの選択で得られるはずの,要素ごとの効果見積を提示する

 

国はDXを推進すると言っているわけですが,

DXを推進するって,1つにはデータを使って議論できることでもあるはずなんだけど・・・

と私は思います

20210731-20210806を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「ザ・会社改造」 三枝 匡 ~最終回~

 

 

新型コロナ感染者について,

中等症以下は基本自宅療養とする政府の方針に反発が広がり,

「感染拡大地域の緊急措置」に,事実上方針転換が図られています

 

冷静に優先順位を考えたら,そりゃ,重症者を優先したいけれど,

それでは病床が不足しそうなほど,感染が拡大しているのですから,苦肉の策ではあるでしょう

ただ,「感染が急拡大しているこのタイミング」で,

また,「家庭内感染が半数を超えている」という調査結果もあるタイミングでの方針発表では,

「おいおい」と思うのも無理からぬことでしょう

 

「もっと以前に」,「仮にこういう状況になったらこうする」という形で示しておけば,

こんな混乱は起きずに済んだと,私は思いますし,

病床確保にしても,もっと戦略的な動きが出来たはずだ,とも思います

 

 

ただ,このことから,私たちには学べることがある,と思います

つまり,予想されるシナリオを複数つくり,

そのシナリオの中で,起きる可能性があることに対して,事前に対応策を検討しておけば,

これほどの混乱なしに,粛々と対処することができるはずだ,ということです

最悪のシナリオを想定するだけでも,計画はしておけるし,その準備もできるわけです

陽の目を見るか,は,別として

 

これは,リスクマネジメントの基本です

さらに言えば,

「病床逼迫」は,過去の時点でも起きていたことなのですから,

その総括から検討できることはあったわけで,

こちらは,PDCAのサイクルを回すとは,どういうことなのか?

ということでもあります

 

 

こうなった以上,リカバリーは必要です

けれど,リカバリーで仕事をした気になっていないか?

 

リカバリーだけでは,残念ながらプラスの効果は得られません

でも,リカバリーをすることになったのなら,

なぜリカバリーが必要になったのかということから学び,

次に活かす必要があると,私は思います

20210724-20210730を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「ザ・会社改造」 三枝 匡 ~第4回~

 

 

1年遅れで始まった世界的なスポーツの祭典,

アスリートの皆さんは,日頃の努力の成果をしっかりと見せてくれていると思います

 

実は私には,この大会に参加されているアスリートの皆さんから,

すでに学んだことが大きく2つあります

 

1つは,柔道の高藤選手の「負けない柔道」という話です

(他にも同様の発言をされている方がいると思いますが)

そのスポーツをやる選手である以上,

どうしても豪快さ,キレイさ,美しさといったことにこだわってしまうもの

しかし彼は,「とにかく負けないことにこだわった」と言いますし,それを貫く戦い方をした

それは,「目的を明確にして戦うとは,どういうことなのか?」ということであり,

ビジネスの世界にも当てはまることなのではないか,と思ったのです

 

もう1つは,この大会に出場されている全アスリートに共通することのはずですが,

「本当に地味な努力を,数年間に渡って毎日続けてきたのだろう」ということです

「自分が数年間に渡ってどんな努力を毎日続けられただろうか?」と振り返ってみると,

それはそれは,本当にキツイことだったろうと思うわけです

そして,目に見える成果が出なくても,やり続けるのですから,

やり続ける「しくみ」を,自分自身で築いてきたはずです

だとすれば,これもまた,ビジネスの世界にも当てはまることなのではないか,と思うわけです

 

 

もちろん結果はさまざまだと思います

勝負事ですから,運に依存する側面もある

そんなスポーツという世界で努力をし続ける,し続けられるということ

そこから学べることは,たくさんあるのではないかな,と私は思います

20210717-20210723を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「ザ・会社改造」 三枝 匡 ~第3回~

 

 

東京五輪は,開会式を前にドタバタ劇を繰り広げました

それ以前も含め,大会に関わるトップ,あるいは,開会式に関わる音楽家や演出家などに,

辞任や解任が相次ぐような事態に,正直,辟易する人も多いのではないかと思います

ただこれは,単に個人の責任にはできない,と思います

 

たとえば,この1週間で起きた辞任・解任劇の,背景問題については,

前大会組織委員長が辞任した時でも,前総合演出家が辞任した時でも,

関係者に直接,間接,確認することができたはず

つまり,組織委員会,主催都市の東京都,支援する立場の国の3者が,

そろいもそろって,リスクマネジメントの視点で,「なっちゃない」ということになる

 

また,前大会組織委員長や,前総合ディレクターなどは,「今の発言」で辞任

しかし,20年以上前の「過ちの発言」で,しかもそれを反省し,地道に努力していても解任では,

「ちょっとどうなのよ」という問題もある

 

そして,もちろんご本人の問題はある,あるいはあったにせよ,

そういう方々が上層部にいられる「社会的なしくみ」が,日本にはあるということだし,

一方で,ある時点での過ちを,「どう反省したらよいのか,許されるのか」という問題もある

 

 

ただもっとも重要なのは,

「学ぶべきことを,本質から理解していない」という問題を,一体どのようにとらえるのか?

ということではないかと,私は思います

もしかしたら,「ここまで字面だけで,中身を理解していないとは思っていなかった」

という答えが,教育の現場からは出てくる可能性もあるのではないか?

 

この一連の経緯,絶対に忘れてはならないと,私は思います

そして,しっかりと振り返り,今後どうしていくのか,国全体で考える必要がある

何をどうしたって,過去のことは消すことができないのですから・・・

20210710-20210716を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「ザ・会社改造」 三枝 匡 ~第2回~

 

 

このところのEUの発信力は,非常に目を引きます

もちろん,欧州委員会の「方針」は,EUという性質からみて,冷静にとらえる必要はあります

欧州委員会は,必ずしも各国を束ねられているわけではない

よって,EUの発信とは,独立した一組織の主張,ととらえることもできる

 

ただそうではあっても,EU諸国にとって,

極めて戦略的で,確度も高い発信内容だとは思います

 

まず,EUが「脱炭素」,「デジタル」を,

欧州諸国の発展の起爆剤としようとしているのは明らかです

ただ,それは世界共通と言ってもよい分野

差別化のポイント,そして,EUに有利なルールにすることが重要になる

 

ただ「脱炭素」は,欧州諸国からすれば,強みを活かせる領域です

これまでも「脱火力」や「脱化石燃料」の取り組みが進む領域

そのスピードに反発は避けられないとしても,全体で見たら勝ちやすい領域です

 

一方「デジタル」では,人権重視の強調を,成功のキーにしているように見えます

そもそもデータの「活用と保護」は,あちらを立てればこちらが立たずの関係です

ここで,人権尊重に始まる個人情報保護を打ち立てたことで,多くの人々の共感を得ている

デジタルに関しては,これに国際課税の問題も絡んでくるわけですが,

それにしても,極めて戦略的な動きだと,とらえられるわけです

 

この2分野で,国として戦略的な動きをしているのは,中国だと思います

もっとも中国のそれは,EUのアプローチとは異なり,

脱炭素もデジタルも,「中国共産党が押さえる」というアプローチです

これは,中国共産党という強みを活かした戦略であり,

14億人弱という市場を持つ強みを活かした戦略と言えるのだと思います

 

 

ではEUと中国に共通するのは,何なのでしょう?

私はもしかしたら,猛烈な過去の反省なのかもしれないな,と思っています

そもそもEUは,過去2度の世界大戦の反省から生まれた経緯がありますが,

欧州が世界の中心であった時代があるわけです

一方中国は,4大文明発祥の地のひとつですし,

各国が中国の歴代王朝を恐れていた時代があり,そして,進出を許した過去もある

 

どう世界の中で,その地位を揺るぎないものにするのか?

 

過去の反省に始まる戦略性

これは,国だけにあてはまる話ではないのだろうと,私は思います

20210703-20210709を振り返る

 

【今週の一冊】

 

 

「ザ・会社改造」 三枝 匡 ~第1回~

 

 

ここのところの話題の中心は,

大谷選手と,災害となっている大雨,慢性化したような新型コロナ,そして東京五輪かなと思います

このうち後者2つは,この1年以上続いている話

ナゼ未だこれだけ混乱するのだろうか?

 

その大きな理由は,

「場当たり的な対応に終始してしまったから」

なのではないかなあ,と私は思っていますが,

さて,ここからどうやってリカバリーをするのか?

 

とにもかくにも,休業要請,時短要請に従った飲食店に

協力金をさっさと届けないことには始まらない,と私は思います

 

と言うのも,

冷静な判断をしたいという人々ですら,感情面で押しつぶされてしまっているからです

「なんで,飲食だけ?」

さらに,飲食の中でも,酒類の取扱い有無で対立が生まれ,

取扱い有の中で,要請に従う,従わないで対立が生まれ,

酒類が買えるコンビニなどの他業種との間で対立が生まれ,

その行動をする,しないという消費者との間で対立が生まれ・・・

 

 

あちらこちらで起きている感情的対立を,少しずつでも取り除いていくこと

これが今やるべきことだと,私は思います

(だから,西村経産相の発言には,本当にがっかりでした。。。)

20210626-20210702を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「打者が嫌がる投球論 投手が嫌がる打撃論」 

 権藤 博,二宮清純 ~最終回~

 

 

大谷翔平選手が異次元の活躍をしています

正直,凄すぎ

凄すぎて,統計学的な物の見方をすると

少なくとも今のところ,彼は完全に「外れ値」です

 

私たちは,ケタ外れのことに反応しがちです

ただ,日々は平凡,大多数は平凡です

だから,平凡なことに注目することが重要なのだと思います

 

たとえ平凡なものであっても,

それをさまざまな角度から見ることができれば,

平凡というものの中に,さまざまな可能性を見出せる

 

たとえば野球というゲームなら,

1試合の中で,得点は何点ぐらいの間に収まるのか,

何本ぐらいのヒットで収まるのか,何個ぐらいの三振で収まるのか

といった,ごくごく当たり前のことを,

どれだけ見ているか? 知っているか? 

それらは,投手から見たらどう見えるのか,打者から見たらどう見えるのか?

 

たとえ同じことであっても,それをさまざまな立場で見たとしたら,

さまざまな気づきが得られるものでもあります

当たり前の感覚を身につけられると同時に

当たり前が,見方によって違うことにも気づける

 

実はそれが,

成功の確率を上げるための方法の1つではないか,と

私は思います

20210619-20210625を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「打者が嫌がる投球論 投手が嫌がる打撃論」 

 権藤 博,二宮清純 ~第1回~

 

 

同じ物事でも,人によって見ているポイントが異なります

たとえば,今週のアパレル業界の在庫抑制の動きや

ホンダさんのシビックの部品や設計方法の共通化の動きをどう見るか?

 

「こんな取り組みをしてるんだな」というのは,表立って見られる事実です

「この業界,こんなところが課題になっているんだな」は,事実をもう少し深掘りしたもの

これら自体を知ることは確かに必要です

とは言え,ここからもう少し深掘りして見ると,

多くのポイントを読み取ることができるのではないか,と思います

 

まずは効率化という視点から,「標準化」「汎用化」といったものが上げられます

すると,「標準化」「汎用化」といった考え方・コンセプトは,

自分の仕事でも行える部分はないのか? といった見方ができます

また,それを実現するには「しくみ」が必要だといった見方もできます

「標準化」「汎用化」といった「コンセプトを実現するしくみ」として,

そこにあるのは何か? ということです

 

私がもう1つ見ているのは,「目標が示されている」という点です

目標が示されているから,具体的な行動に結びついている

つまり,具体的な行動以前に,それが,誰か,はわかりませんが,

「その目標を示した誰かがいるはずだ」ということです

そして,その過程では,「相当な反発もあったはずだ」ということ

 

「相当な反発があっても,表に出てきた目標」というものは,

何らかの裏付けをもって,目標として共有されたのだろうと思うわけです

(もしかしたら,報道によって,目標を共有しているのかもしれませんが)

 

これを示し,実際に組織を動かすとなると,リスクを伴います

だから,「相当な確度で,それが実現できる」という目標を立てる必要が出てくる

必要なのは,エビデンス,つまり,証拠であり論拠です

論拠として使えるのは,事実しかない

そしてもう1つは,意志

意志を支えるのは,危機感かもしれません

 

たった1つの事象でも,見方を変えれば,さまざまな思索ができる

自分の視点と他者の視点,細部からの視点と全体からの視点

何かに行き詰まったら,あるいは,何かを検討するのなら,

1つの策として,「視点を変えること」は,有効な手段になると,私は思います

20210605-20210611を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」」 茂木 誠 ~最終回~

 

 

予定通りの緊急事態宣言解除に,

予定通りの東京五輪・パラ五輪の有観客開催と人数拡大

予定通りの方針提示と,判断の自治体への委譲

予定通りの自民党内の相次ぐ議連立ち上げ

 

まあ,選挙をにらんだ動きは当然出てくるわけで,致し方ないことなのでしょう

だからこそ,その中で,私たちはどうやって自分の身を守るのか

 

私の答えは「自分で考える」,そして,「自分の活動を変える」です

自分で考えることの出発点は,自分が前提としていることを疑うところから始まると,

私は考えています

たとえば,サラリーパーソンの方なら,「毎月給料が得られる」のは,前提となっている

学生の方なら,「勉学に励むのが,自分の役割」というのが,前提となっている

でも,その前提を疑うとしたら,どんなことが待っているでしょう?

毎月の収入がない(かもしれない)としたら,毎月の収入を何等か得る方法を考えるでしょう

勉学に励むだけではない(かもしれない)としたら,自分で事業を起こすことを考えるかもしれない

 

同じように考えると,「自分の強み」と思っていることも疑える

「自分の強み」の1つは,「エキスパート分野はどこか?」ということだろうと思います

それを客観的に理解するひとつの方法は,「自分がかけた時間で測ること」です

マルコム・グラッドウェル氏の「天才! 成功する人々の法則」によれば,

ある分野のエキスパートになるには,1万時間,その分野にかける必要があるとのこと

サラリーパーソンの場合,稼働日×就業時間,で考えると,残業ナシなら5年以上かかる計算です

そして,「作業時間」ととらえると,これが限界なのかもしれません

けれど,「考える時間」ととらえるならどうでしょう?

365日,睡眠時間以外は「あるテーマ」を「どこかでは考えて」いれば,2年未満に短縮できる

 

たとえば,「毎月何らかの収入を得る」ということを「考える」のなら,

2年未満は可能なように思います

ナゼか? 

業務でやっていることだって,その業務で,ではなく,他の業務にも活かせることは何か?

と考えることはできるから

 

行動しながら考える活動をする

これが1つの「考えることができるエキスパートへの道」なのではないかな,と思います

もちろん,「そもそも考えるって何?」について,

自分なりの答えも持っていないと,考えられませんが・・・

20210605-20210611を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」」 茂木 誠 ~第3回~

 

 

「どこに向かおうとしているのかな?」

これが私が最近思っていることです

 

東京五輪・パラ五輪は,やるかやらないか,の問題ではない

コロナ対応も,やるかやらないか,の問題ではない

大規模財政出動も,既にやってしまっているのですから,やるかやらないか,の問題ではない

SDGsの視点も含め,脱炭素やデジタル化推進も,やるかやらないか,の問題ではない

 

世界がどういう状態になるのか,は,ある程度見えています

日本は人口縮小,高齢社会ですが,世界を見れば人口爆発です

その中で,人がマズローの5段階欲求で言えば,生理的欲求や安心・安全の欲求を,どう満たすのか?

満たすために,その最低限をどう確保するのか?

そして,日本という国が,世界の中でどんなポジションを取るのか? どういう状態を目指すのか?

 

以前の地理や公民の教科書では,日本は第2次産業で大きく成長できた,とありました

50年後の教科書に,日本はどう書かれたいのか?

何を強みとして,そのポジションを獲得するのか?

 

 

党首討論が国会で行われました

が,どこにこのような話があったのかな? と

断片の話ではなく,ストーリー・シナリオが語られていたのかな? と,思ったのは,私だけ?

 

未来に向けたストーリー・シナリオを描くのは,誰もが怖いものです

でも,経営者と呼ばれる人々は,それをやっている,そして,判断している

途方もなく迷う,もちろん相談もするけれど,最後は自分が決めなければならない

だから,現状を客観的に見ようとするし,それを判断の一助にしようとする

そして,現実にある姿のように,未来を語る

そういうものが必要なのではないかな,と,私は思います

20210529-20210606を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」」 茂木 誠 ~第2回~

 

 

今年は必ず,衆院選があります

衆議院の任期は4年で,その満了が10月21日だからです

そしてその前,7月4日には,都議選があります

 

私はこの2つの選挙,非常に注目しています

各党,各議員,さらに言えば,各要職にある人たちが,

一体どのような主張をするだろうか,と思っているからです

 

新型コロナ,東京五輪・パラ五輪は言わずもがな,

菅首相がグリーンとデジタルと置いた成長戦略とエネルギーや人権,環境などSDGs的課題

後期高齢者の医療費負担なども含めた全世代型社会保障と言われる制度のあり方などで,

具体的に観察できる,わかりやすいトピックが複数あります

 

これらに対して,どのような立場を取ったのか?

 

あるトピックについて,反対,賛成いずれかの立場が示されているとき,

その判断をした判断軸を仮定できます

すると,他のトピックについても,同じ判断軸を利用して判断していると考えることができる

そこに一貫性があるのなら,その判断軸が,その人の主義・主張なのだと予想できる

一方で,そこに一貫性が見られないのだとしたら,

何か他の判断軸があるか,あるいは日和見主義か,のいずれかだと予想できる

 

このようにすれば,その主張の良し悪しではなく,

主義主張の一貫性について,評価できるのではないかと考えているのです

日本という国の場合,その主義主張について,それほど大きな差異があるとは思えない

だとしたら,主義主張に一貫性がある人に投票すればよいのではないか,と考えることができる

 

もちろん上手くいくかわかりません

けれど,個人的には非常に興味深い観察実験になるな,と思っています

ちなみに仮説も持っているのですが,これは公開しません

ただ,その仮説通りでないことは願っています

20210522-20210528を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」」 茂木 誠 ~第1回~

 

 

予想通り,新型コロナ下の行動制限が延長されることになりました

さまざまな指標を見ても,米国当局が渡航制限強化の対象にするぐらいですから

まあ当然の判断なのでしょう

しかし・・・

その判断が妥当なものだと考えられたとしても,気持ちがついてこないというのが,

多くの方の状況なのではないか,と思います

 

ではナゼ,気持ちがついてこないのか?

 

たとえば,飲食店中心に,協力金ぐらいはさっさと支給すべきでしょう

東京都などは3月末までの分ですら,まだ半数も支給できていないのですが,

1年以上コロナ下なのに,一体何やってるんでしょう?

 

そもそも喫茶店等では,マスクせず,普通にペチャクチャ,大声でしゃべりまくっている方々がいます

静かに食事しながら酒を飲むことが,それと比較して大きな問題があるのでしょうか?

映画館なども同様でしょう

黙って映画を見ることが,観劇などと比較し問題が大きいの?

 

協力するにあたり,納得できる理由が不足し過ぎていると思うのです

完全に説明不足

 

東京五輪・パラ五輪も同様です

契約上の問題もあり,これはやらざるを得ないのでしょう

北京五輪も視野に入れて考えれば余計に,東京は中止でもいい,なんてこともできない

開催することが,結果的に都民ファーストなのだとしたら,

その説明をすべきは都知事なのでは?

開催都市は国ではなく,東京という都市です(というのが建前です)

 

そして,説明するには,「どんな価値観で判断しているのか」をしっかりと示すことが必要なのでは?

と思います

妙なキャッチフレーズの連発ではなくて,

それが,「国民,あるいは,東京五輪・パラ五輪を踏まえれば,都民を大切にしていることなんだ」

ということを示せる価値観であり,判断基準,判断の軸

 

恐らく,すでに判断してきたことは,自分の都合が良いように,都度判断してきたのでしょう

でも,判断してきた結果はあるのだから,後づけでもその判断基準を考えることはできるはず

そして,今後その判断基準で判断している,行動しているとすれば,

将来に渡って,ひとつの大きな価値観にできるのではないかとも思います

20210517-20210521を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界最高の話し方」 岡本 純子 ~最終回~

 

 

経済成長が確認されている米中と,マイナス成長下にある日欧

国際社会の経済状況は,新型コロナを中心に,大きくは2分化されている状況です

 

とは言え,この状況は容易に想像ができていました

日本がそういう状況になるかどうか,ということではなく,

新型コロナから脱却できれば経済成長,できなければマイナス成長ということです

 

ただ,この状況について,直接的な働きかけができるわけではありません

「経済成長ができていないから,経済成長をさせろ」では,対策にならないわけです

すると,「こうなればああなる,ああなるとこうできる,だから,この手を打つ」といった,

ある種のストーリーを考え,対策を講じていくことが必要になるのだと思います

 

 

今の新型コロナの対応を見ていると,どうもそういったストーリーが描けていないように思えます

ワクチンが確保できたら,当然早期に接種を完了させたい

ワクチンが確保できたなら,ワクチン接種に何が必要かなんてことは容易に想像がつくはず

それなのに,接種する人が不足しているだの,会場がどうのだのといったことが

課題になってしまうって?

 

それがナゼ起こるのだろうか?

それを考えられないぐらい,現場が疲弊してしまっているのかもしれません

でも,それが考えられないと,

脱炭素だ,デジタルだ,なんだかんだと,成長戦略だと言って示したって先に進まないわけです

 

ワクチン接種だけでも,越年確実だなあ・・・

摂取できた人,できていない人の間で,大きな差ができるだろうなあ・・・

そんな状況を見越したストーリーを描くことが,

私たち一人ひとりにも必要なのかもしれません

20210501-20210507を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界最高の話し方」 岡本 純子 ~第2回~

 

 

予想通りとでも言いますか,

コロナ下の制限のある暮らしは,まだまだ続きそうです

ただ,多くの方は,本当によくがんばっていると思うのです

よくがんばってくれている方々のおかげで,今の状況がある

誰もがんばっていなかったら,もっと酷いことになっているはずです

 

よくがんばってくれている方々に,ひと言だけお伝えするとしたら,

ずっと家にいたら,別の意味で身体を壊しかねないので,

適度にリフレッシュしてください,ということ

 

特に都市部で働く人の場合,

職場と自宅の往復だけでも,相当な歩数を歩きます

私の場合で言えば,顧問先に出かけるだけで,往復8千歩程度になる

 

一方で,自宅で仕事をするとなると,ほとんど歩かない

それは,在宅勤務が基本となっている方々も,同様ではないでしょうか?

 

これは体だけではなく,精神面にも影響します

ぜひ,適度にリフレッシュする時間をつくってください

15秒ぐらいかけて息を吐くような深呼吸を,1回に2,3度,

1日に数回やるだけでも,良い影響があります

 

できれば,ご自宅の周りを歩く,あるいは,ストレッチをするなど,

軽く体を動かした方がベターです

新緑の季節になりましたし,

その色を楽しむだけでも,良い気分転換になるのではないかと思います

20210424-20210430を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「世界最高の話し方」 岡本 純子 ~第1回~

 

 

中学,高校時代,部活は野球でした

ピッチャーだったこともあり,とにかく走ることが仕事のような毎日

走ることに,それほど抵抗はありませんでした

 

そんな自分でもツラいと感じた指示は,

「いいと言うまで走れ」というもの

同じ経験をしたことがある方もいらっしゃると思うのですが,

結果的に,同じ距離や同じ時間を走る場合でも,

事前に○Km,△時間と決められて走るのと比較して,圧倒的にツライのです

その理由を冷静に考えてみると

身体的なものだけでなく,精神的にも逃げ場がないからなのではないかと思います

「残りこれだけだ」とか,「○分の△,終わった」とか,そういったように考えることもできない

 

 

緊急事態宣言下,2度目のGWが始まりました

(今年は全国ではないですが・・・)

改めて考えると,このような環境が1年以上続いている,ということ

その状況に慣れてしまうのは当然でしょうし,

いつまでも張り詰めたまま,というわけにはいかないのも事実です

そして今何より問題なのは,いつが終わりなのかわからないということなのかな,とも思います

 

1回目の緊急事態宣言時,今以上に人手が大きく減ったのは,

新型コロナというものがある程度わかったからということや,

助成金や協力金といったものの有無や多寡という問題だけでなく,

ここまでやれば,少なくとも一旦は終わると思えたからではないか,と思うのです

1回目のときは,「この時までやる」というのが,明確でしたから

 

すると,本当にやってほしいことについての伝え方は,もっと工夫できるよなと思います

「このままでは,こうなってしまう」といった危機感とか,脅しとか,

そういったアプローチで伝えられるより,

「この時までこれをやってくれ,そうすれば,あなたがこうなるから」というものの方が,

協力しやすいと言うか,やる気になりやすいと言うか,

そういう面があると思うのです

 

良いところは取り入れればよいだろうと思いますし,

何からでも学びというものはあるもんだな,とも思います

 

20210417-20210423を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢 栄一 ~最終回~

 

 

昨年に続き,今年のGWも,首都圏,関西圏は緊急事態宣言下です

新型コロナに限らず,感染症抑制の最大のポイントは「移動の抑制」

これだけ新型コロナの変異種の感染が拡大している中ですから,当然の判断ですし,

むしろ,遅かったんじゃないかなと,思います

 

判断をするのは,難しいこと,ですよね

だから,勘と経験と度胸だけでなく,データを使おうとするのだと思うのですが,

それを使う際に必要な知識も,スキルも,そして何より覚悟が不足しているように感じます

 

これは政治の場だけではなく,ビジネスの場でも起こりがちではないかな,と思います

ビッグデータだ,AIだ,自動化だ,なんだかんだ,と言っていても,

一発ホームランなんて,そうそうは打てません

凡打も含めた経験をしつつ,試行錯誤をくり返して,はじめて成果に結びつく

だから,実際にデータを活用しようとするとなると,

相応の意志,覚悟,判断力が求められるのだと思います

現実をみつつ,将来を描き,いかに自分が動くのか,他者を動かすのか

 

データを活用しようとするとき,

データを使いこなすための地道な学びや,トレーニングはもちろん必要だとは思います

ただそれ以上に,覚悟するためにも,本気で考えることが必要なんだと思うのです

でも実際には,その時間が不足してるのではないかな?

日々はやっぱり忙しいですから

 

もしそうだとするなら,せっかくのこの機会,

自宅や,感染リスクの少ない場所で,適度にガス抜きをしつつ,

さまざまな情報を使って,じっくりとシミュレーションをしてみてもよいのではないかなと思います

そして,「こうなったら,こうする」という具体的な行動を考え,

それが現実に起きたとき,実際にその行動を起こす準備をする

考えるって,シミュレーションすること,物語をつくることでもあり,

また,実際に行動を起こすことで何が起きたかを経験することでもあるのではないか,

と,私は思います

20210410-20210416を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢 栄一 ~第4回~

 

 

福島第一原発の廃炉に向けて,政府が大きな決断を発表しました

新型コロナに押されているからなのか,扱いが小さいように感じますが,

既定路線だったから,ということでもあるのかもしれません

 

ただ,その決断までに,10年もの時間を要していること,

そして,それでも,周辺国からの反発,国内からの反発が,少なくない程度あるという事実を,

少なくとも2つの視点で,真摯に受け止めた方がよいと思います

 

まずは「発信不足」,「対話不足」という視点です

やろうとしていることが,国際的な基準と照らしても,問題ない行動であることや,

正常稼働している原発も放射性物質を希釈しつつも排出しているということ,

あるいは,自然界にも存在する物質であるという事実を,

国内外含め,どれほどの人が知っているものなのでしょうか?

もし知らないのだとしたら,それこど発信不足なのでは?

 

もう1つは,信用,信頼に関する問題です

信用というものは,さまざまな活動をする上での土台となるものだと思います

それは,国だって例外ではありませんし,運営している組織も同様です

では,将来の利益のために,つまり,信用,信頼を勝ち得るために,

10年間という時間を使って,「どれだけ人に投資した」のでしょうか?

 

経済的な豊かさは重要ですし,それは日々の生活の土台です

が,仮に,経済至上主義の立場を取った場合でさえ,

ただ目先の利益だけを追い求めていては,将来の利益を失うことになることは,理解できるはず

電力は,なくてはならないインフラなのですから,将来の利益も一定程度以上約束されているもの

相応の投資をしやすい産業です

 

また,人への投資の形は,さまざまあるはずです

資格を取ったら,何らかの講座を申し込んだら,カネを出すというものだけではなくて, 

手本となるような行動の実践に対して,報奨金などの形で投資するという方法もあるはずですし,

社是社訓じゃないですが,大切な価値観,あるいは具体的な行動を,毎朝全員で唱え続けるという形,

つまり,時間を投資するという方法だってあるはずです

 

さて,どうなんでしょう? 

私は,「やれることは何でもやった」とは,言えないのではないか? と思うのです

土台を何に置くのか,何を最も大切なこととするのか,

情報発信も不十分だし,その土台の徹底という点でも不十分なのではないか?

 

ただそれは,原発に関することだけではなく,

ほぼあらゆるすべてのものに,共通してみられる「日本の事実」なのではないか? 

 

 

私は,中国がやっていることは,大いに参考になると思っています(と言うか,そう思うようになりました)

そのやり方が,とか,目指す姿が,とかではなく,

最低限,共通のルール,土台とするものを何に置き,

それをいかに浸透させるのか,徹底させるのかに知恵を絞っているという点で,です

 

その意味で,政治にも,企業経営にも,取りたい立場を,

聞こえの良い部分だけではなく,努力が必要な部分も含めて語ってほしいと思っています

政治の場合なら,「美しい国,日本」でも別にいいのですが,もしそうであるなら,

「美しさを実現するために,人々がやらなければならないこと」も語る

それは,スピーチライターに書かせることではなく,自分の言葉で示すものだと思いますし,

小言を言うことも含めて,行動として示すもの,だとも思います

20210403-20210409を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢 栄一 ~第3回~

 

 

スポーツ界で,心を揺さぶられる話題がたくさんありました

「感動した」といった声も,多く耳にしますし,

実際,彼ら,彼女らは,まさしくスターなのだと感じます

ただ・・・

無茶はしてほしくないなと,思う自分がいます

 

彼ら,彼女らは,大きすぎる社会の期待に,応えようとしているのではないか? 

もちろん,彼ら,彼女らは,その期待に応えられる存在なのかもしれません

けれど,やっぱり同じ人間じゃん,と考えれば,

時にガス抜きだって必要なんじゃないか,と思いますし,

期待を一手に引き受けるというのは,無茶のし過ぎなのではないか,とも思うのです

 

逆の視点から考えると,

私たちは,ごくわずかなスター,ヒーローやヒロインを求めすぎていないのだろうか?

と思うのです

もっと言えば,他人任せ(と言ったら,言い過ぎなのかもしれませんが)

 

 

私たちが暮らす社会は,大小さまざまな集団で構成されています

それは,地域社会であったり,会社であったり,学校であったり,

町であったり,部門であったり,クラスや部であったり,といった集団です

親族や家族というのも,集団の1つ

 

そのような,それぞれの集団の中で,

みんなが期待することを,集団に属するみんなで少しずつ背負うことを考えることも,

必要なのではないか,と私は思うのです

たった一人,あるいはごく一部の人だけに期待するのではなく,

みんなが少しずつ背負う

 

その1つの方法は,何でもかんでも自分にとってプラスになることを主張することではなく,

社会全体にとっても,一人ひとりにとっても,

トータルでみたら「少しだけプラス」となるような選択をすることではないかな,

と思うのです

そのためには,社会が,今だけではなく,未来も生きること,

そして,成長することが条件になるのだとは思いますが・・・

20210327-20210402を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢 栄一 ~第2回~

 

 

世界の時価総額が急増しています

その背景にあるのは,新型コロナの感染拡大による財政出動です

財政出動により,市中に出回ったお金が,実体の経済活動には利用されなかった結果だと,

とらえることもできるかもしれません

 

もちろん,それが有効活用できた面もあるはずです

飲食,旅行,宿泊など,本当に厳しい業界もあるし,本当に厳しい個人もいる

ただ一方で,その影響が小さい業界があることも事実ですし,

個々の企業や個人などを見れば,同じ業界でも大きな差異があることも,また事実

 

ここからは推測,ですが,

本当に厳しかった企業や個人は,既にそのお金を使っているはず,もしくは,

直近で使うことを予定しているはずです

生活自体が厳しいのですから

つまり,実体の経済活動に貢献していることになる

工夫云々の前に,使わざるを得ないことで,結果的に実体経済にも貢献している,ということです

 

では,その影響が小さかった業界や,個々の企業,個人は?

 

新型コロナの感染拡大に伴う今回の財政出動,つまり,

税金を使うこと,借金をすることの目的を考えると,

それは,目の前の生活を守るためだったはず

逆に言えば,それで私腹を肥やせたのであれば,それは税金や借金で私腹を肥やしたことになる

 

と冷静に考えると,政治が考えるべきことも,見えてくる面があると思うのです

つまり,国の財政問題の課題解決で,誰にその役割を担わせるべきなのか,ということ

 

だから,一律で物事を考えても,意味がないでしょうし,

単発,単発の施策として議論をしても,意味がないのではないかな,と思います

全体として目指す姿と,その実現に向けたストーリーで施策を考える,説明する

 

企業や個人の活動だけでなく,

政策とは,そういうものなのではないかな,と思います

20210320-20210326を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢 栄一 ~第1回~

 

 

LINEの海外からの情報アクセス問題に,

松井証券の委託先社員による不正送金問題,営業機密情報の持ち出しの多発問題,

さらには,今国会で提出されている法案内の誤りの大量発生問題など,

いずれも,根本課題は同じものであるように,私は思いますし,

今後も同様の問題が増えるだろう,とも思います

 

たとえば,テレワーク,リモートワークは,

新型コロナの感染拡大もあり,増えこそすれど,減ることはない

すると,さまざまな課題が出てくることになるし,

以前は想定する必要性の低かったリスクが高まることになるからです

 

もちろんテレワーク,リモートワークの場合は,

ネットワークセキュリティや,必要な情報にアクセスできる,といった技術的なことで,

解決できる部分はあります

しかし,かけられるコストは無制限ではありません

ない袖は振れませんから,優先順位づけする必要が出てくる

すると,社員教育上の問題,つまり,運用上の問題,仕事の優先度の問題,

そして倫理・道徳的な問題は,俄然注目される,せざるを得ない問題となってくるはずです

 

運用上の問題は,マニュアル等のドキュメント類の整備で,ある程度の抑止はできるはずです

しかし,そのルールを守らない,守れないことは,当然考える必要が出てきます

そもそも人間,そんなに何でもできるわけではないですし,

ミスするのは当たり前の部分があります

よって,ミスを事前に潰せるしくみは整備しつつも,

どこは本当に間違ってはならないのか,頭だけではなく,

肌感覚でも理解できるしくみも必要になる

どの業務だって,ミスはない方がいいに決まっていますが,

実際問題としてそれほど集中が続くわけでもないから,

「より集中する箇所を知る」必要がある,ということです

 

 

私が支援している企業の経営者の方は,関連する課題について,

「特に中小企業にとっては,経営マターになるのではないか」と,話されていました

限りなく難しい問題ですし,カネの制限もあるわけですから,

実情との兼ね合いで判断することが必要だからです

 

その一方で,雇用される側も,さまざまな問題が発生する可能性について,

その背景にあるものや意味を考え,自分ができることを考え,行動をする必要があると思うのです

少なくとも,ビジネスにおける常識や,ビジネスにおける倫理というものは,

自分自身が知っておく必要があるし,それらに従って指導できるようになる必要がある

万が一のことが起き,その企業がなくなってしまったら,自分も困ることになるからです

その意味で,物事の道理と言うか,摂理に当たるものに,日頃から意識的になれることは,

人生の本当の意味での成功には,欠かせないのではないか,と思います

 

さらに一歩踏み込むとするなら,

「ああいう存在になりたい」と思える「モデル」が必要だと思いますし,

そのモデルになるのは,他者ではなく,たとえ完全ではなくても「私自身なのだ」と,

そう思える人が少しでも増えること,が必要になるのだと思います

20210313-20210319を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「スマホ脳」 アンダース・ハンセン ~最終回~

 

 

学生時代の英語の授業は, 

当日のJapan Timesの1トピックを取り上げ,

その意味を,パラグラフごとに説明する,というものでした

その先生の口グセは「訳ではなくて,意味を言え」でした

 

1限目の授業だったこともあり,こちらは訳すのに必死だったのですが(苦笑),

それは言い訳で,結局,「意味を言うとは,どういうことなのか」が,

よくわかっていなかったのだと,当時を振り返ると思います

 

 

1都3県の緊急事態宣言の,3月21日での解除,が発表されました

各種報道において,「文字」として踊るのは,「全面解除」

確かに,緊急事態宣言というもの自体は解除されることになるのですから,

「緊急事態宣言下でのみ有効な法的根拠」は無効になる

その意味では,「緊急事態宣言そのものは,全面的に解除される」のかもしれません

けれど,当然ながら,目の前の現実が,変わるわけではない

 

「全面解除」という言葉から受ける印象と,その意味との間には,大きなギャップがある

誰を対象に発信しているのか,ということもあるとは思うのですが,

「意味を伝える言葉への変換」が,政府にもメディアにも不足しているのではないか,と思います

政府の場合,法治国家である以上,法的なことを伝える必要はあるのかもしれないけれど,

それでは,「その意味」を,「本当に知るべき人々」には,伝わらないわけで・・・

 

緊急事態宣言下であってさえ「お願いの範囲」なのですから,

そうでなくなったとしても,そのまま使えばよいようにも思うんですよね

見出し的には「ステイホーム継続」とか「3密回避強化」とか・・・

このワーディングだと,センスゼロに加え,意味も伝わらないかもしれませんが

 

いずれにしても,事実ではなく,メッセージ,その意味を発信する

「これだけ長期間になると,我慢も限界なのはわかる

だから,分散型で,リフレッシュしよう,ガス抜きはしよう,

そして,本当にコロナが鎮静化するまで,協力し合える体制に戻そう」

というような意味合い,メッセージを発信する

 

こういう時にこそ,本当のクリエイターという方々の力を借りるべき,だと,私は思います

毎日のように,ただ消費されるだけの造語を編み出し,

フリップにかざすために力を借りるんではなくて・・・

 

だって,コロナを鎮静化したい,のは,共通の願いのはず,なのですから

20210306-20210312を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「スマホ脳」 アンダース・ハンセン ~第4回~

 

 

アマゾンの創業者,ジェフ・ベゾス氏の言葉に,

「Good intention doesn't work , only mechanism works.」

というものがあります

 

「善意は役に立たない,しくみが解決する」との訳が当てられることが多いようですが,

原文で味わった方が良い言葉のように感じます

 

それはさておき,

3月11日の某テレビ局の番組内の特集に,私は大変な違和感がおぼえました

「10年前」の報道の問題点や,社員を守ることと報道することとの狭間での葛藤などを回顧しつつ,

反省点や,それを踏まえた取り組みを紹介

そして,大きな被害を受けたある自治体の長に,

「自分たちの報道はどうあるべきと思うか?」と,キャスターが聞く

といった流れの特集だったのですが・・・

 

「それって,自分たちが考えるべき,内部の話では? 公共の電波に乗せて,伝えることなの?」

 

 

メディアは,「メディアの役割として」という大義を,

多くの場面で使います(というか,利用します)

だとしたら,

その役割定義を,その組織内でブレイクダウンした形で,自分たちの中に持っているのでは?

各情報は,その役割定義と照らし合わせて扱うのが筋,なのですから,

「自分たちの報道はどうあるべきか?」は,

その基準に沿って,自分たちで判断すればよい,ということになるはずです

 

もちろん,判断にあたって,前提となるさまざまな意見や見解などを聞く必要はあるわけですが,

「それは内部で進めるべき話であって,

 公共の電波を使って,何十分もやるような話ではないのでは?」

もし仮に,「それでも,それをやるのが,そのテレビ局の方針」なのだとしたら,

「それなら他の情報に関する報道にしたって,

 同様の形で,視聴者に問う必要があるのでは?」と思うのですが,

でも,それはやっていない(私に伝わらない程度には,やっているのかもしれませんけれど)

つまり,「まるで一貫性がない,だから,その姿勢が本気とも思えない」と,私は感じたわけです

 

 

そして,思い出したのが冒頭の言葉です

「Good intention doesn't work , only mechanism works.」

 

一人ひとりの方々には,さまざまな思いがあるのだと思います

それは恐らく,心からの思いなのだと思います

でもそれは,少なくとも「その組織で機能するしくみではない」のでは?

 

 

良心的にとらえれば,今回が「自分たちの,新たな報道の在り方」,つまり,

「他の情報に関する報道も,同様の形で,視聴者にも問います」と示す,

第一弾だったのかもしれません

だとすれば,今後のそのテレビ局の報道自体が,大きく変わるはず

それを大いに期待したいとも,私は思っています

20210227-20210305を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「スマホ脳」 アンダース・ハンセン ~第3回~

 

 

公的機関が出す数字,つまり,統計は,

もっとも信頼性の高いものと言われてきました

 

もちろん,人口統計と,失業率のような労働力に関する統計とでは,

解釈時に注意すべきことの多寡が異なります

前者の場合は,出生届と死亡届に基づくものだから,ほぼ現実を表している一方で,

後者の場合は,失業をどう定義しているか,によって,数字が変わるはず

よって,後者の方が,解釈する際には,より注意が必要ということになります

 

このような「統計の見方」について,しっかりと伝えていく責任が,

教育に関わる私を含む人々や,より使う頻度の高い人々,

メディアであったり,公的機関であったり,政治家であったりにはある,と思います

 

 

なのですが・・・

東京都には,本当に参りました

過去にも「独自基準」なるものでおかしな統計を作り出していました

そのことは,20年8月にも,この場でもふれているのですが,

同様の形で,再び統計を歪めました

 

各種判断にも利用する,病床使用率に関する数字で,「100%を超えるような異常値」も出し,

国の基準に修正して数字を出したら,直近で32%まで急減って,

「統計,なめてます?」というカンジです

 

そもそも,「新型コロナという敵に,一致団結して立ち向かおう」としているはずなのに,

ナゼ,独自基準なるものを優先させるのでしょう?

もちろん,独自基準でさらに判断の確度を上げようとすること自体は良いことなのかもしれない

けれど,「他道府県と,横並びの基準で出すものに加えて」でなかったら,

独りよがりもいいところです

 

これでは,表向き「対コロナ,一致団結」を謳ってはいるけど,

少なくとも一部の方にとって,それがとてもとても本気とは思えないのも,仕方のないことでは?

だから政局と言われるし,「大したことないのだから」と協力しない人も増えることになるのでは?

「最も感染者を出しているのは,東京なのに」と後ろ指指す人も出てくるのでは?

おまけに,統計というものの,将来に渡っての信頼度も傷つける

 

東京都は,一致団結を破壊するような行動を平気でしている

その罪は,極めて大きいと,私は思います

 

が,世の中は,あまり取り上げないんですよね・・・

金曜日の首相会見で,取り上げた記者がいたのですが,

取っ散らかって,妙な質疑になってしまったのを目撃したし・・・(苦笑)

20210220-20210226を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「スマホ脳」 アンダース・ハンセン ~第2回~

 

 

当たり前のことかもしれませんが,

世の中では,日々,さまざまなことが起きています

そんな数多ある出来事には,良いことも悪いこともある

それもまた,当たり前のことなのだと思います

 

よくよく考えてみると,

「今日もこんなに平穏,無事でした!」という出来事の方が,多いはずです

それも「圧倒的に」

そうでなければ,生きること自体,生活すること自体が大変だ,ということだからです

ただ,悪い情報にはスポットライトが当たりやすく,

より「センセーショナル」に報じられる側面がある

世の中の「関心を集めようとする」のが,情報というものの,メディアというものの特性だからです

だから,悪い情報の方が,一見すると多いようにも見える

 

このような情報というものが持つ側面をとらえると,

私たちが情報と向き合う時に求められる態度というものが見えてくるのではないか,

と思います

つまり,私たちが受け取った情報には,

「そんなことがあったんだね」程度で流して良い情報と,

一度立ち止まって考えた方が良い情報と,大きくは2つの情報があるのではないか,ということです

 

 

この1週間も,さまざまな出来事がありました

もちろん,一人ひとりにとって,その重みは変わる面はあるのかもしれないですし,

それを仕分けること自体が大変なことなのかもしれない

 

だから,と言ってはなんですが,

その重みにより仕分ける以前に,どれか1つでいいから立ち止まって,

「これってどういうことなんだろう?」と考えてみることが,

実は大切なのではないか,と思うのです

 

そんなクセをつけてつつ,「自分にとって」仕分ける力もつけていく

 

それが,先週から紹介している「スマホ脳」を振り返りつつ,私が感じていることでもあります

20210213-20210219を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「スマホ脳」 アンダース・ハンセン ~第1回~

 

 

東京五輪・パラ五輪の新会長が決まりました

現役閣僚で,党の支部連合会の会長職にあった方が,

それこそ火中の栗を拾うような決断をされた

もちろん,さまざまな思惑などもあるのだろうとは思いますが,

たとえそうではあっても,その役割を引き受けた新会長に,

まずは心からの敬意を表したいと,私は思います

 

その新会長に対する野党の反応の1つが,

開催まで半年もないというこの時期に及んでいる中で,

「<五輪の政治利用>という,そもそも論,大義を持ち出して,

既に大きな人生の決断をされた方に,さらに政権与党からの離党を決断させるような動き方」でした

 

それは,これまで野党が見せてきた

「何でもかんでも取り上げて,何でもかんでも安易に非難をする」以上に,非常にタチが悪い,

ある種の怖ろしさすら感じる類のものに,私には思えます

それは,「政治という<大義>を利用した,個人をおとしめる動き」なのではないか?

 

もちろん,野党であっても与党にはなりえるけれど,

現時点で与党でないのであれば,野党としての役割を果たすべき

その役割とは,与党の「政策案」に対する「健全な批判」を通した,

より良い政策の立案への貢献と,その実行への貢献のはずです

それは,コトに対する貢献であって,個人をおとしめるような話では決してない

 

ただでさえ「何でも反対」と言われるのが野党という存在です

それは,現在の政権与党が野党であったときも,同じようなものだったと思います

ただ,その立場にある野党が,さらに,ヒトをおとしめる存在なのだとしたら, 

現与党に取って代われるような存在には,決してなれないのでは?

 

野党の役割を果たせない,与党にとって代われる存在にもなれないのだとしたら, 

税金のムダ遣いを追及しようとした,

「2位じゃダメなんですか?」で有名な事業仕分けではないですが,

さっさと事業仕分けされるべき,「単に税金のムダ遣いの対象なのでは?」と思います

 

評価で言えば,「もっとがんばりましょう」

期待を込めて

20210206-20210212を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~最終回~

 

 

森氏の発言問題,ワクチン接種,が,この1週間の2大話題だったように思います

 

前者については,その評価をする以前に,

日本の置かれる状況,国際的な評価をしっかりと確認しておく必要があると思います

 

世界経済フォーラムが分析した2019年版「ジェンダーギャップ指数」において,

日本は,G7ダントツ最下位の,153カ国中121位です

北欧陣が上位を独占していることが示すように,

この指数が持つそもそもの特徴もありますから,それに異を唱えることはできるのかもしれません

また,このような環境だからこそ,評価の高い日本的な文化が生まれた面もあるのだとは思います

とは言え,日本が世界的には「ジェンダー不平等と評価されている国である」ことは,

疑いようのない事実です

 

森氏の発言が,世界的に問われているのは, 

 「日本という国は,それをなくそうとしているのか,その特徴を生かそうとしているのか,

  どちらなんでしょうか?」

ということなのだと,私はとらえています

もっと言えば,

 「なくそうとしている,と言っていたじゃないか! 

  それが日本全体の合意事項だったのでは?」

ということ

つまり,森氏個人のこと以上に,日本という国の立ち位置,目指す姿に対する問いであり,

私たち,一人ひとりへの問い

 

一方,国内の多くの反応は,恐らく異なります

いや,確かに,「それはどうなんだよ」とは言いたくもなる面はあります

しかし,あまりに個人への非難に偏っている

 

「引責辞任する会長が後任を指名しようとした」というのは,

男女平等だけでなく,国家の事業で,まったくガバナンスを機能させられないということ

「35人いらっしゃる理事の中から,会長を選任する」というのが,

明文化されているこの組織のルールなんだそうですが,

「であれば,今の理事の方々から選任する」が,基本的なルールです

さらに,後任候補として名前の挙がっている方々が,

丸川氏以外,川渕氏含めて,今時点で理事ではない,というのでは,

「35人の理事の方々って,何してきたの? ムダ金も払ってきたということ?」

これも問題視されてしかるべき課題だと思います

 

 

後者について,書く余裕がなくなってきました(^-^;

ただ1つ言えるのは,病床逼迫問題にしても,ワクチン接種問題にしても,

昨日今日,突如必要になった問題ではない,ということ

つまり,「想定されていたことに,まったく準備してきていない」という課題を露呈している

リスク見込みが甘すぎるし,そこで主体性を発揮できない

これも日本の大問題だと思います

 

ただこれは,他人事ではなく,私たち一人ひとりの課題なのだと,私は思います

 

そして,もしそうとらえるのだとすれば,それはチャンスと言えるのかもしれません

少なくとも,課題を課題として,冷静にとらえられる人財であることの証明であり,

多くの方が,それを出来ない,のですから

20210130-20210205を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~第6回~

 

 

最近,よく思うことがあります

それは,「当たり前」の変化です

 

贈賄で有罪になった議員,厚労省のアプリの不具合,JOC会長の失言等々含め,

さまざまなことが,私の「当たり前」とは,激しいギャップがあります

私自身,聖人君主でも何でもないので,ズルいこともするし,悪いこともしている(と思う)

けれど,そこにはやっぱり,罪の意識とでも言うか,そういうものがある

 

「当たり前」というのは,

「そんな意識は芽生えない」こと,要は,無意識,なのだと思います

 

無意識に自覚的になるのは,自分だけでは無理です

無意識なんですから

だから,「まずは自覚させる役割機能を持つ存在」が,必要なんだと思います

 

 

子ども向けの制限アプリ,があると思うのですが,

あれをもう少し発展させて,大人向けの制御アプリにしたら,

無意識なものに自覚を促すようなアプリにできるのではないか,と思います

「歩きながらスマホにアラートを出す」を,もっと発展させたようなもの,です

「ターゲティング広告の機能は使うのだけれど,表示するのは正反対のもの」というのも,

ひとつの方法かもしれません

 

個人で入れる気にはならないかもしれませんが,

企業・組織だったら,いわゆる「マネジメント」に,活用できるようにも思います

どなたか一緒に,ブレストしませんかね?

もしかしたら,大発明になるかも(笑)

20210123-20210129を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~第5回~

 

 

新型コロナの感染拡大の中,国会での審議が始まり,2週間になろうとしています

会期初期は,各党のリーダーにあたる方の質問が多くなるわけですが,

本当に,初期の初期は仕方ないけれど,

その後も,菅首相の発信力の不足を指摘し続けるのでは,何の課題解決にもなりません

各自治体の首長も,さまざま発信をしているようですが,

新しい造語を創り出し続けるのも,どうなんでしょう

かえって,混乱を助長するだけでは?

みなさん,パフォーマーとしては,優れているのだろうとは思うのですが,

今はその時期ではないと思います

 

 

そもそもメディアがこれだけ「個人化」していくと,

本当に必要な情報が,ある属性を飛び越えるのは至難の業です

ある属性には,その属性の中で還流する情報しか伝わらない

だから恐らく,新型コロナの状況にしても,特定層にはほとんど情報としては届かない・・・

 

届いていても,それは新規感染発覚人数ぐらいだと思います

そして,新規感染発覚人数が減少傾向にあれば,「減ってきたから大丈夫」と,

情報が少ない方々ほど思うはず,ですから,むしろ悪循環?

 

だとしたとき,時短営業等に協力いただけない場合には,むしろ,

情報発信基地としての役割を担ってもらう方が,よほど理にかなっているように,私は思います

罰則を科すより,「新型コロナ情報の,提示の義務化」をする方が,

よほど効果があるのではないか?

 

 来てくれて,ありがとう! でも,自分がかからない,他の人に移さない,行動してね!

 病院の受診,できないからねえ~! よろ!

 

というようなものを,映像で流すことを義務にする

完全な,ジャストアイデア,ですが・・・

 

 

ところで,情報が埋もれているのでは? と思う事実に,

福島第一原発,2号機・3号機の状況があります

「本当に,廃炉作業なんて,できるの?」というレベルです

 

日本が背負っている課題は,新型コロナだけではない

その現実は,むしろ世界の方が客観的に見ているものかもしれません

私たちが,アメリカを見るようなものなのかもしれないですね

20210118-20210122を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~第4回~

 

 

米国に新政権が誕生しました

新大統領は,就任初日から,行政命令15本に署名したとのこと

ちなみに,前大統領が就任1週間で署名した行政命令は13本

そうなると,オバマ大統領がどのような動きをとったのか,が知りたくなるもので,

実際に調べてみると13本

量的な面では,どの政権も,大して変わらないことがわかります

 

いずれにしても,新政権が自らの姿勢を示そうとするとき,

「前政権の否定」は常套手段です

企業レベルでは頻繁に見られるものですが,

国のレベルのもので,トップが変わることのリアルなインパクトを,

質的な面も含め目の当たりにしたという点で,私たちはラッキーだったのかもしれません

日本国内の政権交代では,実際,大きな変化は起きていないし。。。

 

 

私は,前大統領は,国際的な信用・信頼が持つ意味を否定した,と感じています

一方で,一国のリーダーである以上,国内に住む人々がリーダーを選ぶ

ということは,そのリーダーを選んだ人々の信用・信頼を裏切らないことは,

そのリーダーが,リーダーであるために必要なことでもある

だから,前大統領は,それを選択したのだろうと,今は冷静にとらえられる面がある

 

信用・信頼って,難しいな,と感じます

個人の信条にも依存する

ただ,ゲームのルールを変えようとするなら,

一度極端にふる,というのも,1つの方法だとは思います

20210109-20210117を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~第3回~

 

 

未来について,実際にどうなるか,は,その時が来ないとわかりません

誰も見たことはないので,当たり前のことではあるのですが,

それでも,いくつの予測はできると思います

そして未来は,最善のシナリオと,最悪のシナリオの間におさまるのもまた事実

新型コロナ禍についても同様だ,ととらえられます

 

ただ,新型コロナ禍について,政界に限らず,日本の政治は,

最悪のシナリオについて,「こうなったら,こうする」といった,

具体的な打ち手の検討をしなかったのだろうと思います

たとえば,当時北大の西浦氏が訴えた「統計モデルを活用したシナリオ」について,

それが春には起こらなかったから,具体化の検討の対象から外した

 

今になって,あちらこちらの業界から,さまざまな「意見」が飛んでいるのが,その証だと思います

そして,ようやく具体策の検討もされているようですが,なかなか賛同を得られない

 

 

それは当然だと思うのです

その1つの理由は,政治が言っていることが,後出しジャンケンみたいなもので,

自分たちの都合の話しかしていないように見えるから(実際,そうなのでは?)

 

もう1つの理由は,

既に新型コロナは,多くの人にとって,特に若い人々にとっては,

インフルエンザ程度のもの,あるいは,それ以下というのが,リアリティになっているから

そして,「自分たちだって,ずいぶんと我慢してきている」というのが,

多くの人々にとっての現実でもある

 

今の世の中,多くの人は,

自分に最適化(?)されたコンテンツ,しかも映像含む絵しか見ない環境にいるのですから,

情報はリーチしにくくなっている

そんな中で,政治が「極めて陳腐な情報」を発信したところで,リーチするはずがない

だから,行動が変わるはずもない

まして,想像力を働かせよ,なんてことを言っても始まらない

 

ただ,その立場に置かれれば,行動を変えざるを得なくなる

たとえば,本当に可哀相ではあるけれど,

今年の受験生は,確実に行動を変えている

実際には,感染対策をすることだけでなく,日々の行動,実際の受験校などなど,ですが,

そもそもの考え方も変えていると思います

 

だから,その機会を,情報を発信し続けながら待つことが,必要なのだと思います

リアリティを伴う現実が,目の前に現れたときのために

20210101-20210108を振り返る

 

【今週の一冊】

 

「50 いまの経済をつくったモノ」 ティム・ハーフォード ~第2回~

 

 

アメリカという国は,ある種の憧れを抱かせる国でした

本当にそうだったのか,は別にして,

自由と民主主義の旗手を自認し,

自認するからこそ,相応の態度を,国の行動として示してきた

 

ベトナム戦争などを含め,

その行動はホメられたものだけではなかったとも思います

それでも,その失敗は,

「自由と民主主義」という視点で行動した結果であり,

どの国もやっていない,自国の考えを出発点にした行動ではあった

 

だからこそ,アメリカの主張を支持する国々があったし,

ある種の憧れを抱かせることができたのだと思うのです

 

アメリカ・ファーストとは,本来そういうものだったのではないか,と私は思いますし,

それは,私の言う自分ファーストとも通ずる部分があります

それは,自分を出発点とするということであり,自発的と言い換えられる面もある

またそれは,Giveが先に来る,「Give&Take」的でもある

 

ただ,アメリカという国のそれは,完全に過去のものになってしまったのだと思います

この1週間で,アメリカで起きた暴挙は,

いくら自由と民主主義の旗手を自認したとしても,

対外的,対内的を問わず,相応の態度を示せないことを露呈してしまった

無理筋を押し通すだけ,ルールを押しつけようとするだけ,

その分の利益を得ようとするだけの存在・・・

 

 

新型コロナに対する,日本という国あるいは一部の自治体の態度と,市民の行動との関係も,

同様の視点でとらえられるのではないか,と私は思います

市中感染が拡大しても,緊急事態宣言が発令されても,市民の行動としてあらわれないのは,

それが単なる無理筋に見えるからではないのか?

 

市民のことを第一に考えているなら,Giveが先に見えるものだ,と私は思います

そのGiveとは,少なくとも「本気」さ

いまだに母数を示さない数だけの独り歩きを始めとした,各種情報の不透明性や

議員の皆さまの「会合は4人以下,20時までのルール」といった,とんちんかんな検討等々,

とても本気とは受け取れない,と,私は思います

 

メディアも,批判している風を装うのは最低だと思います

よく見かけませんか? 

会見終わりギリギリに,質問逃げみたいなことをして,

背中に向けて「総理,総理!」とくり返したり,

「○○なんじゃないですか!」と印象操作しようとしたりする記者

メデイアは提案すればよいと思うのです

「市民から,こういう意見があるから,こうすれば行動が変わる」みたいに・・・

知恵は政治家だけが考えなければならないものでは,ないですよね?

2020年の一年間を振り返る

 

【今年の3冊】

 

 

・1兆ドルコーチ 

 エリック・シュミット, ジョナサン・ローゼンバーグ, アラン・イーグル 著

 

・リモートワークの達人 

 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著

 

・「いつでも転職できる」を武器にする 

 松本 利明 著

 

 

実は私は,今年の漢字は「転」なのではないか,私は考えています

意味するところは,転換の転

 

この1年,常に新型コロナが話題の中心だったのは,誰もが認めるところだと思います

でも,マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏が

「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と,

同社の協業アプリ「Teams」の利用状況から語ったように

新型コロナが世界的な流行になったから,物事が進んだ面もあると思います

 

変化がもたらされるとき,既得権者は抵抗勢力化するものです

自分の職が奪われることになるわけですし,

守るべき方々もいるわけですから,それはやむを得ない面があるとも思います

けれど,新型コロナはある意味,否応なしに転換せざるを得ない状況を作った

つまり,抵抗のしようがない状況になってしまった

 

ナデラ氏の言葉をそのまま使うなら,

新型コロナの感染確認から10カ月なのですから,

10年分の変革が一気に起きた,ということなのかもしれません

そして,いまだ終息が見えないわけですから,時代はさらに進むことになる

 

 そのとき必要になる力は何か? 

 

せっかくの機会ですから,

この年末年始は,冷静に考えてみてもよいのかもしれません